現代美術用語辞典 1.0

シュルレアリスム

Surrealism
2009年01月15日掲載

日本語では「超現実主義」。両大戦間のヨーロッパで広く展開された総合芸術運動。この名称は1917年詩人G・アポリネールが、自作の戯曲の装置を担当したP・ピカソの舞台美術を指して言ったことに由来するが、24年A・ブルトンが『シュルレアリスム第一宣言』において、精神分析的な考察を加えた「夢の全能性への信頼に基づく」芸術の総称へと採用し、以後も指導的役割を演じた。マニフェスト的にはロートレアモンやA・ランボーの強い影響下にあった「シュルレアリスム」は、当初は文学運動としての側面が強かったが、「オートマティズム(自動記述)」の理念は造形芸術にも強い影響を及ぼし、20世紀美術の一大潮流を形成した。代表的な作家はS・ダリ、M・エルンスト(ともに後に除名)、A・マッソン、J・ミロなど。パリを拠点に活動していた多くの作家は、30年代末にはナチスの台頭によってアメリカに逃れ、A・ゴーキーという最後の後継者を見出した後に終焉を迎えた。

[執筆者:暮沢剛巳]

現代美術用語辞典 2.0

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