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野澤屋呉服店として、1864年伊勢佐木町に創業して以来144年の歴史を誇る、横浜松坂屋。本館は、出浦高介の設計により、当時の横浜で一番の繁華街であったこの地に、1921年に建てられました。その後、近代建築の重鎮でもあった夏目漱石の義弟、鈴木禎次が増築を手掛け、1934年に現在のアールデコ様式のテラコッタ装飾を備えた外壁がつくられました。<br />戦前のデパート建築で横浜に現存する唯一の建物として、本館と西館が2004年11月に、「横浜市歴史的建造物」に認定されました。西館は昭和6年(1931年)の竣工当時は「越前屋百貨店」で、その後、鶴屋、寿百貨店、松屋を経て、1977年から松坂屋西館となって、先に百貨店としての役割を終え、現在はJRA「エクセル伊勢佐木」へと変わっています。競馬が開催されている時は余り人相のよくないおじさんたちの溜まり場と化してしまっているのはとても残念なことです。<br />この本館も、10月26日をもって、横浜の一番の繁華街だった古きよき時代の伊勢佐木町の姿を髣髴させてくれたこのレトロな百貨店が閉店となります。<br />横浜からまた一つ近代建築が消えるのはとても寂しいことですね。<br /><br /><br /><br />

消え行くアールデコの百貨店 横浜松坂屋

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2008/10/17 - 2008/10/17

4684位(同エリア9495件中)

ぬいぬい

ぬいぬいさん

野澤屋呉服店として、1864年伊勢佐木町に創業して以来144年の歴史を誇る、横浜松坂屋。本館は、出浦高介の設計により、当時の横浜で一番の繁華街であったこの地に、1921年に建てられました。その後、近代建築の重鎮でもあった夏目漱石の義弟、鈴木禎次が増築を手掛け、1934年に現在のアールデコ様式のテラコッタ装飾を備えた外壁がつくられました。
戦前のデパート建築で横浜に現存する唯一の建物として、本館と西館が2004年11月に、「横浜市歴史的建造物」に認定されました。西館は昭和6年(1931年)の竣工当時は「越前屋百貨店」で、その後、鶴屋、寿百貨店、松屋を経て、1977年から松坂屋西館となって、先に百貨店としての役割を終え、現在はJRA「エクセル伊勢佐木」へと変わっています。競馬が開催されている時は余り人相のよくないおじさんたちの溜まり場と化してしまっているのはとても残念なことです。
この本館も、10月26日をもって、横浜の一番の繁華街だった古きよき時代の伊勢佐木町の姿を髣髴させてくれたこのレトロな百貨店が閉店となります。
横浜からまた一つ近代建築が消えるのはとても寂しいことですね。



交通手段
自家用車

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  • 明治から昭和40年代にかけての横浜で一番の繁華街だった伊勢佐木町。その後は横浜駅西口や最近ではみなとみらいへ買物客が流れ、最近ではすっかり寂れてしまい、外国人の多い町に変わってしまいました。今回閉店となる横浜松坂屋は関内駅西口から伊勢佐木町モールを入ってすぐの位置にあります。

    明治から昭和40年代にかけての横浜で一番の繁華街だった伊勢佐木町。その後は横浜駅西口や最近ではみなとみらいへ買物客が流れ、最近ではすっかり寂れてしまい、外国人の多い町に変わってしまいました。今回閉店となる横浜松坂屋は関内駅西口から伊勢佐木町モールを入ってすぐの位置にあります。

  • 30年近く横浜で仕事をしていますが、実は私、この横浜松坂屋に入ったことは今回が3回目。買物はしたことがありませんでした。

    30年近く横浜で仕事をしていますが、実は私、この横浜松坂屋に入ったことは今回が3回目。買物はしたことがありませんでした。

  • 仕事でこの伊勢佐木町モールを歩いていて、外観のテラコッタのアールデコ調の建物はすごく気になっていたのですが、今月の26日をもって閉店する情報を聞いて一度じっくり見に行かなければと思っていたのですが、閉店までカウントダウンの始まった今日ようやく行くことができました。

    仕事でこの伊勢佐木町モールを歩いていて、外観のテラコッタのアールデコ調の建物はすごく気になっていたのですが、今月の26日をもって閉店する情報を聞いて一度じっくり見に行かなければと思っていたのですが、閉店までカウントダウンの始まった今日ようやく行くことができました。

  • まずは1階のインフォメーションコーナーで撮影許可証をもらってさっそく店内を見学開始です。まず真っ先に行ったのは1階エレベーター。

    まずは1階のインフォメーションコーナーで撮影許可証をもらってさっそく店内を見学開始です。まず真っ先に行ったのは1階エレベーター。

  • 一見時計のように見えるこれ。Bから始まって9までの番号が書かれていますが、これは回数表示で、時計のように針が1周して停止回数を表示します。中央に上下に並ぶ丸は上りと下りを表しています。

    一見時計のように見えるこれ。Bから始まって9までの番号が書かれていますが、これは回数表示で、時計のように針が1周して停止回数を表示します。中央に上下に並ぶ丸は上りと下りを表しています。

  • 次はエスカレーター。アールデコの定規で引いたような直線とコンパスで描いたような円や弧の連続した波の模様や稲妻模様、流他のモチーフ流線型等の幾何学模様の入ったエスカレーターサイドのデザインが特徴的です。<br />

    次はエスカレーター。アールデコの定規で引いたような直線とコンパスで描いたような円や弧の連続した波の模様や稲妻模様、流他のモチーフ流線型等の幾何学模様の入ったエスカレーターサイドのデザインが特徴的です。

  • 昭和12年に設置された当初よりこれは話題になっていたそうです。

    昭和12年に設置された当初よりこれは話題になっていたそうです。

  • 閉店セール中のためか普段はあまりお客さんはいないのですが平日なのに賑わっていて、人物をはずして写真を撮るの大変です。

    閉店セール中のためか普段はあまりお客さんはいないのですが平日なのに賑わっていて、人物をはずして写真を撮るの大変です。

  • バラして家に持ち帰りたいくらいいいですね。

    バラして家に持ち帰りたいくらいいいですね。

  • 普段はデパートの店内は写真撮影禁止ですが、今日は撮影許可証を首からぶら下げているので心おきなく写真が写せます。なんか少しだけ報道カメラマンになったような気分。

    普段はデパートの店内は写真撮影禁止ですが、今日は撮影許可証を首からぶら下げているので心おきなく写真が写せます。なんか少しだけ報道カメラマンになったような気分。

  • これもはずして家に飾りたい。

    これもはずして家に飾りたい。

  • 3階(?)からはエレベーターの階数表示のデザインが違います。

    3階(?)からはエレベーターの階数表示のデザインが違います。

  • 下についている装飾がなくなって上の丸い文字盤だけになっています。

    下についている装飾がなくなって上の丸い文字盤だけになっています。

  • 6階のフロアーは天井の配線やダクトがむき出しです。

    6階のフロアーは天井の配線やダクトがむき出しです。

  • なんか倉庫のようでデパートの店内といった感じではないですね。

    なんか倉庫のようでデパートの店内といった感じではないですね。

  • 階段室の階数表示板もアールデコ調

    階段室の階数表示板もアールデコ調

  • 思わずワンフロアーずつ写真を撮ってしまいました。

    思わずワンフロアーずつ写真を撮ってしまいました。

  • このフロアーはゴールドに見えますが照明の関係でそう見えるだけで、上のフロアーと一緒のシルバーです。

    このフロアーはゴールドに見えますが照明の関係でそう見えるだけで、上のフロアーと一緒のシルバーです。

  • 何かカウントダウンしているようですね。

    何かカウントダウンしているようですね。

  • これが最後と思いきや、この下にBがあるんです。時間がなかったのでデパ地下までは行きませんでした。

    これが最後と思いきや、この下にBがあるんです。時間がなかったのでデパ地下までは行きませんでした。

  • 階段は手すりが石になっている以外は至ってシンプルです。

    階段は手すりが石になっている以外は至ってシンプルです。

  • 店内のアールデコいろいろ見た中で、一番のお気に入りはこのエレベーターの階数表示ですね。

    店内のアールデコいろいろ見た中で、一番のお気に入りはこのエレベーターの階数表示ですね。

  • 下側にもちゃんと幾何学模様の装飾が入っています。

    下側にもちゃんと幾何学模様の装飾が入っています。

  • そして2番目のお気に入りはこのエスカレーターのサイドパネルのデザインですね。

    そして2番目のお気に入りはこのエスカレーターのサイドパネルのデザインですね。

  • 外観は前面が白い四丁掛けのタイルで覆われています。

    外観は前面が白い四丁掛けのタイルで覆われています。

  • 窓周りを中心とした要所に極めて濃密な意匠を施されたテラコッタが配されています。

    窓周りを中心とした要所に極めて濃密な意匠を施されたテラコッタが配されています。

  • その意匠は、現存する日本のアール・デコ建築の代表例とされています。<br />

    その意匠は、現存する日本のアール・デコ建築の代表例とされています。

  • いつも何気にこの脇を通っていましたが、こうやって良く見ると実に素晴らしい建物です。

    いつも何気にこの脇を通っていましたが、こうやって良く見ると実に素晴らしい建物です。

  • 余談ですが今月のフジテレビの月9のドラマで役者デビューした人気デュオのゆずは、メジャーデビュー前は、この横浜松坂屋前で路上ライブをしていたそうです。

    余談ですが今月のフジテレビの月9のドラマで役者デビューした人気デュオのゆずは、メジャーデビュー前は、この横浜松坂屋前で路上ライブをしていたそうです。

  • こちらは本館の西側に1軒はさんで建っている旧松坂屋西館。こちらは古代ギリシャ・ローマ建築風のクラシックスタイルの建物です。

    こちらは本館の西側に1軒はさんで建っている旧松坂屋西館。こちらは古代ギリシャ・ローマ建築風のクラシックスタイルの建物です。

  • 昭和6年(1931年)の竣工当時は「越前屋百貨店」で、その後、鶴屋、寿百貨店、松屋を経て、1977年から松坂屋西館となって、先に百貨店としての役割を終え、現在はJRA「エクセル伊勢佐木」へと変わっています。

    昭和6年(1931年)の竣工当時は「越前屋百貨店」で、その後、鶴屋、寿百貨店、松屋を経て、1977年から松坂屋西館となって、先に百貨店としての役割を終え、現在はJRA「エクセル伊勢佐木」へと変わっています。

  • 中を見るとこんな感じで、とても土日に競馬新聞を持った人相の悪いおじさんの溜まり場になる場所とは思えないほど格調高い造りになっています。

    中を見るとこんな感じで、とても土日に競馬新聞を持った人相の悪いおじさんの溜まり場になる場所とは思えないほど格調高い造りになっています。

  • ぶっとい石貼りの円柱、重厚感ありますね。

    ぶっとい石貼りの円柱、重厚感ありますね。

  • 天井からぶら下がるシャンデリアもなかなか立派。

    天井からぶら下がるシャンデリアもなかなか立派。

  • 天井も漆喰の装飾が施されていい雰囲気です。

    天井も漆喰の装飾が施されていい雰囲気です。

  • 西館の向かい側にはアントニン・レイモンドの設計の不二家ビルがあります。昭和13年に建築されたビルですが広範囲のガラスブロックが当時としてはかなりモダンな建物だったはずです。今見ても古さを感じさせないですね。今は真っ白くなっていますが以前は確か横の帯の部分が赤くなっていました。

    西館の向かい側にはアントニン・レイモンドの設計の不二家ビルがあります。昭和13年に建築されたビルですが広範囲のガラスブロックが当時としてはかなりモダンな建物だったはずです。今見ても古さを感じさせないですね。今は真っ白くなっていますが以前は確か横の帯の部分が赤くなっていました。

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この旅行記へのコメント (4)

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  • あんみつ姫さん 2008/10/22 17:01:24
    地下の階段表示板は「地階」でした。
    ぬいぬいさん、こんにちは。

    松坂屋に行ってきました。
    地下の階段表示板は「地階」でした。
    よく、「B1」とかになっているのが、今時の建物ですが、
    「地階」という漢字が、ここらしい気がしました。

    ぬいぬい

    ぬいぬいさん からの返信 2008/10/24 12:48:57
    地下の階段表示板は「地階」ですか 渋いですね
    あんみつさん こんにちは 

    仕事の打ち合わせの打ち合わせの合間に少しだけ空いた時間で見に行ったので、じっくり見ませんでしたが、地下は地階になってましたか。
    百貨店の建築様式は意外に見ごたえがあって、関西だと大阪の大丸心斎橋店が一番で、関東だと日本橋三越か日本橋高島屋辺りがお薦めですね。
    じっくり見ると結構新たな発見があって楽しいですよ。
  • べるつくさん 2008/10/19 18:42:25
    いよいよ来週までですね
    ぬいぬいさん、こんにちは。

    横浜松坂屋行ってこられたんですね。
    いよいよ閉店が来週となってしまいましたね。

    先日横浜経済新聞のサイトに詳しい記事が載っていたので、自分の旅行記にリンクを追加してみました。
    早速トラックバックもかけさせていただきました。(氷川丸のほうにも早速かけさせていただきました)
    階数表示、全部撮ってこられたんですね。
    私は野澤屋時代のマーク入りの排水溝蓋を見落としたのをいまさらですが悔やんでいます。下向きコミュとしたことが・・・

    歴史的建造物コミュのオフ、ちょうど大阪にいっている最中なので残念ながら参加できません。盛り上がるといいですね。

    べるつく

    ぬいぬい

    ぬいぬいさん からの返信 2008/10/21 05:25:40
    これから京都です
    べるつくさん おはようございます

    普段目の前を良く通っている松坂屋でしたが、よくよく考えてみたら一度も買い物したことがなく、中に入ったのも3回目。
    西館は初めて中に入りました。
    撮影許可書を首からぶら下げて、何か報道カメラマンになったような気分で、店内を遠慮することなく、心置きなく写真が撮れました。
    26日閉店とのこと、時間があればもう一度行ってみようと思います。

    これから京都です。一時は仕事のトラブルで行けそうもない状態でしたが、何とか切り抜けて出かけることができそうです。

    オフ会の件、残念です また次の企画も考えます。
    そのときはよろしく。

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