残業時間、実際は月127~170時間 長時間労働で過労自殺、遺族が会社側と和解

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 システム開発会社社員の男性=当時(57)=が自殺したのは長時間労働で鬱(うつ)病を発症したのが原因として、大阪府内に住む妻ら遺族4人が勤務先だった「オービーシステム」(大阪市)などに約1億4千万円の損害賠償を求める訴訟は16日、会社側が長時間労働による過労自殺と認めて謝罪し、解決金を支払うなどの内容で、大阪地裁(倉地真寿美裁判長)で和解が成立した。

 訴状によると、男性は昭和52年に入社。システムエンジニアとして勤務していたが、平成25年9月に鬱病を発症し26年1月、単身赴任先の東京都内のマンションから飛び降り自殺した。

 男性は鬱病発症まで半年間の残業時間を月20~89時間と申告していたが、品川労働基準監督署(東京)は記録などから実際は月127~170時間とし、26年9月に労災認定していた。

 原告側の代理人弁護士によると、和解条項には謝罪のほか、会社が今後、過重労働が生じないよう努める▽全従業員に社長が今回の和解を口頭で説明する-などが盛り込まれた。

 和解成立後、大阪市内で会見した男性の長女(29)は、「今後父親と同じようなことが起こらないように、いろいろな働き方が認められる社会になってほしい」と話した。