蒔絵の源流技法「末金鏤」、正倉院宝物の大刀で再現

宮内庁正倉院事務所は23日までに、正倉院の刀で最も豪華とされる「金銀鈿荘唐大刀(きんぎんでんかざりのからたち)」の鞘(さや)に施してある漆装飾「末金鏤(まっきんる)」の技法を再現した。「蒔絵(まきえ)の源流に位置付けられる技法」としている。

蒔絵の人間国宝、室瀬和美氏が担当。漆で描いた文様に金粉をまき、漆を塗り重ねて研ぎ出す手法は蒔絵と同じだが、金粉をふるいにかけず不ぞろいなまま用いる点や、表面を平らに研がずに凹凸を残す点が異なる。

同大刀は儀礼用の刀で、刀身は中国からの伝来品とされるが、鞘の製作地は不詳という。

アプリで開く
日経電子版に登録すると、
有料会員限定記事が毎月一定数無料で読めます。