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天井知らずの国家の財政赤字がフランス革命を引き起こした ブルボン王朝の借金 総額54兆円

2017-06-26 04:27:11 | Weblog

 

「原因はルイ16世期の失政か、
             マリー・アントワネットの浪費か」

18世紀末、フランス全土を揺るがしたフランス革命。
ルイ16世による王政に対する民衆の不満が爆発した。それまでの絶対王政を崩壊させ、共和制へと移行する切欠を作ったこの市民革命は、「おカネ」に纏わるエピソードに事欠かない。
フランス革命の主役の一人が、ルイ16世の妃であったマリー・アントワネット。フランス革命時、王室は危機的な財政難を迎えており、その主な原因は王妃の浪費癖にあったとも言われる。
また、彼女が言ったとされる「パンがなければ、ケーキを食べればいいじゃない」の言葉はあまりに有名だが(実際には彼女がそう言ったと云う記録はない)、そうした一種の都市伝説めいた逸話も、彼女の浪費家、世間知らずと云うイメージを膨らませて行った。実際、彼女はギャンブル好きだったし、宮殿内に人工的に田舎の環境を造らせたり、年間170着ものドレスを新調させたりしたが、或る意味それは王妃としては当たり前の行動でもあった。実際は、高価な玩具を子どもに我慢させるなど、倹約家の一面もあったと謂う。
仮に王妃マリー・アントワネットが幾ら浪費をしていたとしても、決して一国の財政が傾くほど浪費していたわけではない。
革命前の1778年を例に取れば、王室と特権貴族の出費は3600万リーブル(現在の日本円で約4320億円)で、当時の国家予算の6%であり、彼女の出費はそのごく一部に過ぎないのである。では、いったい何がフランス王室の財政を、逼迫させていたのだろうか?
1780年代、フランスは、45億リーブル(現在の日本円で約54兆円)にも及ぶ財政赤字を抱えていた。これは、ルイ14世、ルイ15世時代からの累積債務に加え、ルイ16世がアメリカ独立戦争の支援などにおカネを注ぎ込んだことに因るものである。そして1785年の革命前夜、王妃マリー・アントワネットに関わる一つの詐欺事件が起こるのだ。

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「王家や貴族の信望失墜に続いて
              財政赤字のツケがいよいよ爆発」

嘗てのフランス王家・ヴァロワ家の血を引くと称するジャンヌ・ド・ラ・モット伯爵夫人が、160万リーブル(現在の日本円で約192億円)もする首飾りをロアン枢機卿に買わせ、それをマリー・アントワネットへのプレゼントにすると偽って(ロアン枢機卿は王妃の歓心を得たがっていた)、実際には自分の物にしたのだ。世に名高い詐欺事件「首飾り事件」だが、この事件は事実に反してマリー・アントワネットの陰謀とされ、国民に良く思われていなかった王妃は益々支持を失う結果となった。
こうして、それまでの失政のツケがもたらした財政赤字は膨らむ一方で、王室は益々敵を増やして行った。結果、特権的な身分を謳歌していた貴族に財政難のシワ寄せが集まり、不満が爆発。
それに呼応して峰起した民衆が1789年7月14日、パリのバスティーユ牢獄を襲撃し、10年以上に渡るフランス革命の火蓋が切って落とされたのである。
この世紀の革命は、王政と旧体制の終焉をフランスにもたらしたが、それと同時に、おカネを軽視し、おカネに踊らされた権力者の終焉をももたらしたのだった。
(画像・ドラクロワ作「民衆を導く自由の女神・王妃マリーアントワネット・決算書)

 

      

                                                        おカネでわかる世界の事件史
                                                             フランス革命は借金と共に勃発

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