闇夜、食害の牙ギラリ 仙台・大倉地区でイノシシ北上

体長約1メートル、体重は100キロを超すとみられる雄のイノシシ。牙を光らせて竹林を猛進した
「ブォー、ウー」。独特の鳴き声を響かせながら畑を掘り返すイノシシの群れ。作付け前のこの時期は好物のミミズが目的という
 月明かりの畑に黒い塊がうごめく。餌を求めて、山から人里に下りてきたイノシシの群れ。カメラのストロボ光に驚き、一瞬のうちに闇の中へと消えていった。

 奥羽山系の山あいに位置する仙台市青葉区大倉地区。先月下旬から今月にかけて、野生イノシシの撮影に成功した。

 かつて、宮城県南部が北限とされたイノシシの生息域が北上し、ここ数年は青葉区や泉区西部でも、農作物への被害が出ているという。

 「畑がトラクターで耕したように掘り起こされ、作物が一晩で食い尽くされることもある」。イノシシが現れた畑の所有者は、種芋の植え付けシーズンを前に、侵入防止用の電気柵を張る作業に追われる。

 近くの大倉大原地区では、仙台七夕に欠かせない竹の被害も。毎年、自宅近くの竹林から青竹を切り出している早坂勲さん(77)は「若芽が食い荒らされており、生育への影響が心配」と表情を曇らせた。(写真部・長南康一)
2009年04月16日木曜日

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