気仙沼の天気を確認2023年03月23日(木)

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JRが被災の志津川駅を町に譲与

町に譲与された旧志津川駅のホーム  
町に譲与された旧志津川駅のホーム  

JRが被災の志津川駅を町に譲与

 東日本大震災で被災したまま残っている旧JR気仙沼線「志津川駅」のホームと周辺の線路跡地が、一部を修復するなどして南三陸町で譲与された。跡地は町震災復興祈念公園前にあり、雑草が生い茂るなど景観、安全面などが問題となっていたが、見学できる状態になった。ホームには懐かしい「しづがわ」の駅名標も設置され、旧市街地の記憶を思い出させる。
 町企画課によると、JR東日本から譲与された土地は、駅ホームと線路跡地を合わせて約3ヘクタール。線路跡地は、公園南側の水尻川左岸から、公園北の八幡川を挟んで松原公園前のトンネルまでの約1㌔となる。
 水尻川、松原公園近くはさら地としたが、復興祈念公園前のホームとその周辺は、JRのBRT(バス高速輸送システム)の専用道としても利用できず、遺構として活用する可能性も踏まえ、ほぼ被災当時のまま残していた。
 JRと町で協議した結果、震災前の街並みを思い出させ、被害状況を伝える構造物として再整備した上で譲与することになった。昨年から工事を行い、線路跡約581平方㍍を舗装して階段も整備。地下道は安全面を考えて立ち入り柵を設けた。
 駅名標の裏側には、震災前の駅舎やホームの写真、説明文を載せている。
 同課では「震災前の中心市街地の記憶を思い起こさせるもので、復興祈念公園とともに教訓伝承に生かしていく。安全に見学できるルールなども検討していく」と話している。