3日午前11時20分ごろ、熊本県人吉市東漆田町の田んぼで、同市上漆田町の農業東喜吉さん(68)が左脚から血を流して倒れているのを通行人が見つけ119番した。東さんは搬送先の病院で死亡した。人吉署によると、死因は失血死。田んぼにイノシシの足跡が多数あり、イノシシに襲われた可能性が高いとみている。
人吉署によると、東さんは同日午前10時すぎから1人で田んぼに肥料をまいていた。左太もも内側に長さ8センチ、深さ6センチの傷があり傷の形からイノシシの牙で刺されたとみられる。現場は山間部に近く、そばに竹やぶがある。近くではイノシシがよく見られるという。
熊本市動植物園は「最近は広葉樹が減り、イノシシが冬でも餌を求めて人里に下りてくる。牙はとがっていないが、首を振ると刃物並みに鋭くなり、作業服も切ってしまう」と話している。
=2012/01/04付 西日本新聞朝刊=