やらせ質問で東西冷戦の壁崩壊?/元記者、20年後に新証言

2009/04/23 09:58

 

 【ベルリン23日共同】1989年の旧東ドイツ政権の記者会見で、東西冷戦の象徴「ベルリンの壁」が崩壊するきっかけとなった質問をしたイタリアの元記者が「当時の東ドイツ政権幹部から事前に質問するよう要請された」と最近、証言した。

 ただ、この元幹部は2006年に死亡。「やらせ」が事実かどうか、20年前の真相は謎に包まれたままだ。

 23日までのドイツメディアの報道によると、証言したのはイタリアのANSA通信記者だったリッカルド・エーマン氏(79)。

 焦点となっているのは89年11月9日、東ドイツ政権政党・社会主義統一党のシャボフスキー政治局員(80)が国外への旅行制限を緩和する法改正を発表した記者会見。エーマン氏が発効時期を質問、シャボフスキー氏が翌10日発効のところを「直ちに」と答えた。このためテレビなどで知った旧東ドイツ国民が壁に殺到、30年近く分断された東西ベルリンの通行が「緩和」ではなく、一気に完全自由化された。

 エーマン氏は最近、会見の直前に知人の元同党幹部から電話で「旅行法の改正について、ぜひ質問してほしいと依頼された」と発言。電話の主は、旧東ドイツ国営通信の総裁を兼務していた人物とみられる。シャボフスキー氏は「でたらめな証言」と「やらせ」を否定している。

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