扇動(読み)センドウ

デジタル大辞泉 「扇動」の意味・読み・例文・類語

せん‐どう【扇動/×煽動】

[名](スル)気持ちをあおり、ある行動を起こすようにしむけること。アジテーション。「大衆を―する」
[類語]挑発鼓吹鼓舞入れ知恵鼓する煽るけしかけるたきつける煽り立てるアジる吹っかける火を付ける火に油を注ぐ知恵を付ける差し金

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「扇動」の意味・読み・例文・類語

せん‐どう【扇動・煽動】

  1. 〘 名詞 〙 そそのかすこと。おだてたりあおりたてたりして、ある行動を起こすようにしむけること。アジテーション。教唆。〔布令必用新撰字引(1869)〕
    1. [初出の実例]「堀田がおれを煽動して騒動を大きくしたと云ふ意味なのか」(出典:坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉五)
    2. [その他の文献]〔魏志‐梁習伝〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「扇動」の読み・字形・画数・意味

【扇動】せんどう

あおりたてる。〔三国志、蜀、許靖伝〕(曹操に与ふる書)袁の、命に方(さから)ひ族を(やぶ)り、群動し、津塗(しんと)四塞するにられ、心を北風に縣(か)くと雖も、行かんと欲するも由(よし)靡(な)し。

字通「扇」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「扇動」の意味・わかりやすい解説

扇動
せんどう

アジテーション agitationの訳。大衆の意見や行動を特定方向へ直接導くための意図的活動をいう。特に大衆の感情や本能を刺激するが,視覚よりも聴覚に訴えることが効果的であるとされている。そして大衆に対してそのような働きかけをするものをアジテーター (扇動家) という。レーニン宣伝と扇動を区別して,大衆の潜在的な不平不満を外に引出すための操作を扇動と呼んでいる。法律上は,他人に違法行為を実行する決意を生ぜしめ,またはすでに生じている決意を助長させるような勢いのある刺激を与えることもいう。言動のほか,文書,図画による場合も含む。教唆的行為を正犯として独立に処罰する法規としては,破壊活動防止法,爆発物取締罰則国税犯則取締法地方税法公職選挙法などがある。国家公務員法,地方公務員法でいう「あおり」も同じ意味である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「扇動」の意味・わかりやすい解説

扇動【せんどう】

アジテーションagitationの訳語。未組織大衆に特定の観念を与え,情緒に訴えて一定の方向に行動を起こさせるようにすること。一般的には,個人の自発性に力点をおく教育や,比較的組織化された大衆に対する複雑な観念の提示を意味する宣伝とは区別される。扇動の形態としては口頭扇動が主であるが,新聞,ラジオ,映画等のマス・メディアもその手段として利用される。
→関連項目デマ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「扇動」の意味・わかりやすい解説

扇動
せんどう

アジテーション

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android