11日から14日までの4日間、1000マイル(ミッレ・ミリア)=約1600kmを走破する、クラシックカーラリー「La Festa Mille Miglia 2008」(ラ・フェスタ・ミッレ・ミリア)が行われた。北イタリア・ブレシアで行われている本家「Mille Miglia」(起源は1927年からスタートした公道レースまでさかのぼる)の日本版で、国際クラシックカー連盟公認の競技だ。また、国内で行なわれるメジャーなモータースポーツの中では、開催期間が最も長い点も特徴。

同イベントは1997年にスタートし、今年で12回目。一見するとパレードだが、実際には各地にチェックポイントがあって通過タイムが計測されており、その集計で順位が決定される純然たる競技だ。ラリーというよりは、国をまたぐわけではないが、ラリーレイド(クロスカントリーラリー)という雰囲気だ。一方で、お祭り的な要素ももちろん持っている。芸能人や国内のレーシングドライバーらが複数参戦しており、特にスタートとゴールなどは大変な混雑ぶりを見せる。また、首都圏だけでなく各地の沿道で旗を振る観衆も多く、参加者としてはそれに勇気づけられたり、嬉しかったりするそうだ。サーキットで開催されるモータースポーツとはまたひと味異なり、非常に暖かい雰囲気があるのが特徴である。

スタートを待つクラシックカー

戦前の1台。1927年製「ブガッティ T35C」

111台が参戦、芸能人では堺正章や西田ひかる組

今回の参加台数は111台。最古参は1928年製の「ブガッティ BRESCIA T22」から、国産唯一にして最も新しい1967年製の「トヨタ 2000GT MF10」までが参加した。戦前(1939年まで)のクルマは、35台が参加している。また、今年は新たに18台の新規参加もあった。なお、エントリーリストは116台なのだが、事前の取りやめや、直前のトラブルで参加できない、というクルマもあったようだ。

芸能人では、1998年と2000年に優勝している堺正章、本家Mille Migliaで日本人最高位の完走経験を持つ雅楽奏者の東儀秀樹、2007年5位の西田ひかる(本名の衣斐光名義でコ・ドライバーとして出場し、旦那さんがドライバー)、今年で4回目の挑戦となるパンツェッタ・ジローラモらが参戦。また、4日目のみの参加となり、競技対象にはならないが、近藤真彦も参加した。堺は76号車「マセラティ 200SI」(1957年製)、東儀は81号車「AC ACE」(1954年製)、西田は50号車「MG MOTTO SPECIALE」(1951年製)、ジローラモは85号車「アルファ・ロメオ GIULIETTA SPIDER」(1963年製)、近藤は79号車「アルファ・ロメオ GIULIETTA」(1956年製)。

フードで顔が隠れてしまっているが、ドライブするのが堺正章

パンツェッタ・ジローラモ

東儀秀樹

御年79歳のF1無冠の帝王スターリング・モスも参加

そして、現役・引退問わずレーサーも複数参戦しており、50年代〜60年代初頭にかけてF1で活躍した「無冠の帝王」と呼ばれたスターリング・モスが、遠路イギリスからはるばる今年もやって来たこと。2005年以来の参戦だ。奥さんのスージーさんをコ・ドライバーとし、78号車「メルセデス・ベンツ 300SLS」(1957年製)をドライブした。それからコ・ドライバーでの参加ではあるが、SUPER GTなどで活躍するミハエル・クルム選手も、87号車「ポルシェ 356 SPEED STER」で参加した。最終日のみの参加となったが、飯田章選手(近年はSUPER GTで監督業などもこなしており、一線を退きつつある)の姿もあった。38号車「ベントレー DARBY 4 1/4」をドライブしている。

スターリング・モス

ミハエル・クルム選手はコ・ドライバー