イスラム主義勢力タリバンが権力を掌握したアフガニスタンの首都カブール中心部で3日、タリバンによる女性の抑圧を防ごうと、女性ら十数人が抗議デモを行った。女性によるデモは4日もあった。タリバンは1996~2001年の旧政権時代に、女性の教育や社会進出を妨げ、国際的な批判を浴びた過去があり、懸念が高まっている。
地元メディアによると、女性たちは街頭で「平等 正義 民主主義!」「私たちは90年代とは違う」などと書いた紙を掲げながら、デモの排除を試みるタリバン戦闘員たちに抗議した。SNS上にはタリバン戦闘員に殴られて頭から血を流したとされる女性の動画が拡散した。
タリバンは最近、「女性の権利を尊重する」(タリバン報道担当のムジャヒド幹部)と表明し、女児の通学を認めるなど一定の変化を見せている。
ただ、女性の就労に「イスラム法の範囲内」(同幹部)との条件を付けたり、国営テレビの女性キャスターを降板させたりする動きもあり、人権活動家は先行きを心配している。
3日には西部ヘラートでも女性たちのデモがあった。抗議のうねりが各地に波及する可能性もある。(バンコク=乗京真知)