国際【石平のChina Watch】ほころび始めた反日教育+(1/2ページ)(2013.8.15 08:03

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【石平のChina Watch】
ほころび始めた反日教育

2013.8.15 08:03 (1/2ページ)日中関係
米ニューヨークの日本総領事館前で、反日プラカードを掲げ抗議デモをする中国系住民ら =今年2月(共同)

米ニューヨークの日本総領事館前で、反日プラカードを掲げ抗議デモをする中国系住民ら =今年2月(共同)

 先月14日、中国中央テレビは日本での現地取材を内容とする報道番組を放送した。いわゆる「歴史認識問題」がテーマである。中央テレビ局といえば、中国における反日教育と反日宣伝の中心的な存在である。この報道番組も当然、宣伝目的で作られたものだ。日本取材の中、中国人記者は街を歩く中学生たちをつかまえて、「日中戦争中に多くの中国人が死んだことを知っていますか」「南京大虐殺を知っていますか」などの質問を投げかけた。

 とっさのことで中学生たちが「知らない」と答えると、番組の解説者はすかさず「なるほど、日本の歴史教科書は歴史を改竄(かいざん)して子供たちに侵略の歴史を教えていないから、こうなったのですね」と、日本の歴史教育への批判を繰り広げた。

 中国では昔から、この手の反日報道が日常的に行われ、それなりの効果を上げている。今回も同じ繰り返しかと思えば、多くの視聴者から上がってきたのは意外な反応だった。人民日報社が開設するミニブログ「微博」専用ページには次のようなコメントがずらりと並んでいる。

 「中国人民は皆知っている。よく嘘をつくメディアは人民日報、よく捏造(ねつぞう)する教科書は中国の教科書だ。お前らこそ、毎日のように中国人民をだましているのではないか」

 「文革以来、一体誰が多くの中国人民を惨殺してきたのか。日本人ではないぞ」

 「自国の歴史さえ正視できないこの国が他国に正しい歴史認識を求めることができるのか。嘘ばかりをつくこの政府は、他人に真実を語れと要求できるのか」

 などなどと現在もこのような辛辣(しんらつ)なコメントが書き込まれ続けている。

 こうしてみると、政府の行う反日宣伝は完全に裏目に出ていることが分かる。「日本の教科書が真実を教えない」と批判すれば、「中国の教科書こそ嘘ばかりではないのか」との反論が返ってくるし、「南京大虐殺が忘れられた」と騒げば、「お前らこそ多くの中国人民を殺したのではないか」と突っ込まれる。反日宣伝をやった分、それはすべて、政府自身に返ってくるのである。

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