司会:
おはようございます。
ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
知事、お願いいたします。
職員の不祥事について
知事:
会見前におわびを申し上げます。県庁の土木部職員が飲酒の上、ミニバイクを運転し信号無視という違反行為を犯しました。まことに遺憾でありますと同時に、県民の皆様には深くおわびを申し上げます。
詳細な事実については今後調査いたしますが、厳正に対処していくこととしたいと思っています。また、本日付で綱紀粛正の緊急通知を発出し、全職員に県民への信頼回復に全力を期すよう周知いたしました。以上です。
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“せんとくん”が宝くじに登場
【資料】 (新しいウィンドウが開きます。)
知事:
案件の1つ目は、「宝くじに”せんとくん”が登場」です。発売期間は7月23日からで、1等賞金2,000万円です。
報道資料にもありますように、本県の人口1人当たりの宝くじ販売額は全国平均の6割ぐらいで、大阪の半分以下なんですね。県内の宝くじの売り上げが本県への収益金の配分に影響するので「どうしてかな?」と気にしています。宝くじの収益金は約33億円もいただいていますが、人口1人当たりの宝くじ販売額が全国並みになれば、約14億円増加し、大変ありがたい結果となります。ぜひ皆様も宝くじは県内で買っていただければと思います。
資料にもあるように、人口1人当たりの宝くじ販売額は、東京、大阪、愛知といった大都市以外では高知、沖縄、徳島、山梨、和歌山が高くて、奈良がこんなに低いのはどうしてでしょうかと思ってこの数字を見ています。地方消費税もそうですけれども、どういうわけか奈良県内の消費額が少なくて、全国並みの県内消費率であれば本県への地方消費税の配分が約70億円増えます。地方消費税を充実させるとますます他府県との差ができてくるということを本県としては一番気にしているところです。
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奈良県庁障害者就労支援実行計画について(中間報告)
【資料】 (新しいウィンドウが開きます。)
知事:
案件の2ですが、障害者就労支援の政策は県の大きな柱です。県庁で障害者就労支援をする実行計画を、9月に策定する予定ですが、中間取りまとめが出てきましたので発表させていただきます。障害者就労支援は、県庁自身が大きな事業所であるとともに、県庁がいろんな試みをすることによって、でき得れば民間の事業所の就業者就労支援のモデルになるようになればと思っています。
その内容ですが、平成19年4月1日現在、知事部局の障害者の法定雇用率は2.1%のところを2.3~2.4%になっています。教育委員会の障害者の法定雇用率は2.0%のところ、1.9%で下回っています。それから実習の受け入れをしています。障害福祉課を中心に来ていただいていますが、秘書課にも数カ月前1人来ていただきました。大変優しい子でした。今後の実習受け入れを各年度20名から、さらに30名にしていきたいと思っています。また、障害者施設へ物品購入などの優先発注をしていますが、これからも継続していきたいです。
それから、障害者雇用企業への優遇制度が若干ありますが、これからの課題もまだ残っていると思います。障害者施設への技術的支援とか、授産品、販売機会の確保などですが、県庁燈花会とか、イベントを実施した時に授産所の方たちが作られたクッキーなどの販売所を設けましたが、今後ともそういうことをしていきたいと思っています。
新しい試みを考えているのは、障害者の方が農業や畜産に就業される支援を、工業系の企業にしてもらうというスキームができたらいいなと。企業が障害者を雇用する契約などをして、それが農業に向かうような仕組みができたら、県内の農業支援というほどではありませんが、自然の中での作業が障害者雇用の分野にならないかと検討しています。この9月の取り組みの中で案としてまとまればいいかと思っています。
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地域医療ワークショップ 日本一大きな村 十津川村でへき地医療を語る
【資料】 (新しいウィンドウが開きます。)
知事:
案件の3は、県では地域医療等対策協議会を進めていますが、「地域医療」は、いろんなメディア、マスメディアの特集がたくさんされています。奈良の医療をグレードアップするには、やっぱり県民とのコミュニケーション、それから医療のサプライヤー(供給者)とのコミュニケーションが欠かせないわけです。
先日行った県民アンケートの「重要度」と「不満足」が高いという項目は、ほとんどが「医療」でした。特に南部地区(奈良の地区を5地区に分けたとき)は、医療の「不満足度」「重要度」の関心が高いという結果でした。南部地区はへき地医療の不満足度が高いということが県民アンケートでも大変明確になったわけです。
へき地医療は実際難しいところですが、県政の重要課題ということで、十津川村で8月29日に、現場の医療関係者、医師などの方と一緒にへき地医療を話し合おうという試みです。私も行きますが、よかったらご同行していただければと思います。参加の募集は、へき地医療に関心のある医学生や研修医、マスコミなどとしておきたいと思います。
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平城遷都1300年祭<500日前>Startingイベントの開催について
【資料】 (新しいウィンドウが開きます。)
知事:
案件の4ですが、平城遷都1300年祭を2010年の1月1日から開始すると、今年の8月19日が500日前になるということです。その500日前に事前イベント、Startingイベントとして、ここに書いてあるようなことを、いろいろとしていきたいと思っています。せんとくんの着ぐるみ発表とか残日計除幕式等をします。
県内各地や、平城宮跡、東京でのイベントを並行して行います。詳細の説明については省略させていただきますが、取材の取り扱いについて、問い合わせがあれば対応させていただきます。
以上です。
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質疑応答
司会:
ありがとうございました。
それでは、まず本日の案件につきまして、ご質問をお受けしたいと思います。
では、お願いいたします。
“せんとくん”が宝くじに登場について
記者:
せんとくんの宝くじですが、これは何枚ぐらい発行されますか?
知事:
200万枚です。
記者:
せんとくんが全国でかなり人気が盛り上がっているということで、この宝くじの方の売り上げを期待されますか?
知事:
そうですね。この1等賞金2,000万円というのは不満ですね。ジャンボ宝くじのように3億円だといいんですが、近畿2府4件の限定発売ですから。
あと、昨日宝くじの幸運の女神とみずほ銀行の奈良支店長が来られたのですが、例えば宝くじの券をプレゼントする定期預金を作ったりとか。「イベントと同時に宝くじを発売すると、何十万枚とすごく売り上げが伸びるんです」とおっしゃっていました。
昨日商工会議所で講演をしたときに、「宝くじと関連する定期預金をぜひ検討して下さい」と地元金融機関にお願いしてきました。奈良信用金庫で残高の0.01%を平城遷都1300年記念事業に寄附するような定期預金を作っていただいている例もありますので、「ぜひ検討して下さい」と申し込みというかお願いをしたところです。
記者:
宝くじの収益金というのは、どういうふうに配分される仕組みになっていますか?
担当:
細かいルールがありますが、基本的には各都道府県の売り上げに応じて配分されます。先ほどありましたように本県は県内での売り上げが少ないですから当然収益の配分も少ないという状況になっています。報道資料にもつけさせていただいていますが、全国並みに売れれば、本県でいうと14億円ぐらいは配分が増えるかなと試算しています。
知事:
競艇とか競輪、競馬のようなほかのギャンブルも売り上げの何割かを行政に配分していますが、その配分先が宝くじは「自治宝くじ」と称しているように地方自治体です。その際に公平に配分するために、宝くじの売上高に応じて配分しますという消費税のような配分になっているということなんですが、売り上げの何割の配分なんだろう?
担当:
売り上げのうちの4割ということです。
当選金分と、それから経費の分を差し引きまして、おおむね4割が発売団体の方に還元されるという形になっています。
知事:
だから宝くじがなかなか当たらないわけなんですが…。それでも高額宝くじがあるから楽しみになっているわけですね。
記者:
奈良県が46位というのはよく出てくる数字なんですけれども?
知事:
何でも46位の方…。
記者:
それについてはどういうふうに分析されますか?
知事:
消費の分析を少し詳しくしようとしているのですが、奈良県の消費を分析して、少ないのは宝くじと、それからパチンコが全国の半分なんですね。あと飲食も割と食べているはずなのに県内消費は少ないです。
こういう統計は販売実績で出ますよね。例えば宝くじ売り場の販売額とか、パチンコ店の販売額とか。でも県民の消費額という統計はなかなか出ないんですよね。皆さんも意識されないから、奈良県民の方がどれだけ大阪で食べたか京都で食べたか、あるいは大阪でパチンコをしたかというのはなかなか統計上現れないので、統計データは販売実績になってしまいます。
だから、例えばジャンボ宝くじとか大きな宝くじの場合、東京でも有楽町の売り場に埼玉などから来た人が列を作られることがありますが、大阪でもそういうことがあるのかもしれません。大都市の方が売り上げが大きいから、当たる確率は同じですが高額賞金がここで出たという売り場に人がたくさん集まるという傾向があるのではないかと思います。奈良の人は大阪まで買いに行っているじゃないかとか、そんなふうに推測はできますが、その程度の根拠しかありません。
パチンコなんかは大阪まで行ってするのだろうかというのもありますが、例えば奈良は宿泊自体が少ないし、宿泊しても奈良は飲食店数も少ないから鶴橋(大阪)の焼肉に行ったりお好み焼きに行ったりということでも県外消費になります。消費が少ないというのは税収に反映しますので、税収の根拠に合わないものは統計を修正してもらいたいと思いますけれども、難しいんですよね。
例えば、大阪でお惣菜を買って奈良で食べると、売り上げは大阪で消費は奈良ですから、セールスタックス、売上税であれば売上地で課税するからそれでいいんだけれど、日本は地方消費税ということなので、消費税という名前であれば消費地で計上してもらわないといけないんじゃないかという、文句みたいな陳情を先週総務省の自治税務局長にしてきました。理屈の話ですけれど。局長は、「消費の統計というのはとれないので販売の統計をもとに配分して、交付税で是正しています。」という説明をされておられましたが。
宝くじも、奈良県内の販売所で発売した額なのか、奈良県民が買った額なのかということになるのですが、売上の一部を県民に還元するわけです。奈良県民が買った額がもし分かれば、これだけ余計に大阪で買っているのだからその分奈良県に配分してほしいという陳情に行きたいなと思っていますが、そういう統計は無いんですね。
記者:
今回、せんとくんの力を借りる宝くじを発売するのですが、これ仮に、収益金がものすごく増えた場合というのは、増えた分は例えば平城遷都1300年関連に回すとか、その辺の考えは?
知事:
主に平城遷都1300年祭に回したいと思いますけれど。せんとくんのおかげであればね、配分額で多少とも増えますからね。「せんと」だから、1010万円が当たらないかな?001010番で。
記者:
これも、大阪で買われてしまうと大阪に収益金が行くということなんですね?
知事:
そうなんですよ。
記者:
これすごく図柄が良いのですが、せんとくんだけが一緒に入るような感じにはならなかったのですか?
知事:
そうですね、まだ2年ありますからね。今度は近畿だけではなく、全国宝くじで発売してくれないかな?なるかもしれないけどね。
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奈良県庁障害者就労支援実行計画について
記者:
先ほどおっしゃった障害者の雇用の話ですが、畜産であるとか農業であるとか、そういう部門に企業の雇用という形態を通じて派遣ということですか?
知事:
できないかなというアイデアなんですね。今のアイデアは、例えば企業がパートタイムでも、法定雇用率を達成する雇用をして、その作業所が畜産とか中山間地の棚田を耕したり、維持してもらう作業も入ってもいいんじゃないかなと思いますので。
それは実は企業が農業支援をするという気風もあるんです。社員を派遣して耕作をするとか販売するとか。農業支援を企業はするので、農地とか農村が維持できるということを評価してもらって、これは農政の角度から自給力というのが多少上がりますので。それならば、工場のある敷地の隣接農用地は工場用地に転用してもいいんじゃないかと、農政の方からも「総合的に判断をしてもらえないか」という訴えを実はしています。県は農業支援をしますよと。2ヘクタール以下の転用は県が許可できたり市ができたりするわけです。
例えば、農業支援をする見返りと言ったら悪いですが、同時に課税地面積が少ない奈良県ですので、特に各町の大規模の農用地を、よく土地の地勢を見極めて「工業用地に転用できないでしょうか」、というポリシーのもとで農用地を転用するということ。それには工業系の支援もあるという中に、障害者の人も入らないかというような発想をしているのですけれども。
記者:
それは農林水産省(以下、農水省)に対して?
知事:
今のは農水省、近畿の農政局に対してそういう理屈を、ポリシーのスタンスを言っているんですけれども、それも聞かないようだと、もう分権ですね。
農政分権だと、こう言ってちょっと多少おどかしぎみに言ってますが、それはせめて奈良みたいな土地では農業を支援することと工業とを調和する一つのルートだと思っています。
記者:
今おっしゃられた農業支援というのは、人を派遣という形をとると?
知事:
そうですね、要は今の農業支援は、農業指導者が多くて農業者が少ないという傾向があるので、もう指導者は必要ないと。営農者が必要だと。ちょっと極端に言えばね。
営農者が高齢化して、それを若い人が指導してどうするんだと。農業政策ってそんなものかと、こう言っているのですけれども。
だから、若い人で企業で働いている人も、農作業をしてくれればいいんですけどね。実は団塊の世代で企業で働いている人も実家に帰れば農地があって、退職したら農作業をしようかと、退職した後を楽しみにしている方がおられるのですが、企業でデスクワークばっかりしてると実際農業できない体になってしまうということもありますので。
もし農用地が田舎にあれば、自宅の近くから、遊休地を多少借りても1時間で行けるようなところなど、農用地を本当に安く借りれますので、そういう楽しみを覚えられたらいいかなと。自分も覚えられたらいいかなと思うんですけどね。もう農作業のできない体になってしまってるので。
そのあたりを企業の活動の中でそういうきっかけがあれば、田舎の実家のお父さんに、「農作業もしたい、退職したら手伝うからちょっと安心してくれよ」と、こう言える人もいればいいのかなと思ったりするのですが。
記者:
県内に事業所のある、そういう大きめの企業でそういうことに関心持ってるところは?
知事:
おられます。そのルートをきちんとつくりたいと思います。関心を持っている方はおられますし、ちょっと立ち話ですが、こんな話を工業会ですると、工業会で農業支援も考えましょうということもありました。農商連携でなく農工連携をもう少しできて、農工のコミュニケーションがそういう形でも図られると日本の成り立ちからして、いい結びつきになりませんかと、ちょっと大それた言い方をすればそう思っています。
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平城遷都1300年祭<500日前>Startingイベントの開催について
記者:
平城遷都1300年祭の500日前イベントですが、残日計というのは新しく作ってずっと置いておくのですか?
知事:
500日からずっとですね。しかし、ゼロになってしまうと困っちゃうな、あと365日あるのにな。ゼロからプラス1、2、3とするのも、それは余り意味ないな。オリンピックみたいに2週間で終わるんだったらゼロまでの残日計でいいけれど、1年続くイベントの残日計というのはどうするんだろうなあ?趣旨はそういうことです。
記者:
終わりまで?
担当:
そうです、1月1日を目指しているということですので、その日にゼロになるというような仕掛けですけども。
知事:
あと1年は意味がなくなるのか、ちょっとさみしいな。まあそういうことですね。1月1日の500日前ということですけどね。
記者:
設置するのは?
担当:
3カ所です、JRの奈良駅、近鉄奈良駅、八木駅です。そのうち、除幕式をするのは近鉄奈良駅と八木駅の2カ所です。
司会:
本日の案件につきまして、ほかにご質問ございませんでしょうか?
そうしましたら、その他の事項も含めましてご質問をお受けしたいと思います。
では、お願いいたします。
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県営プール跡地のホテル誘致について
記者:
県営プール跡地のホテルの状況はどのように進んでいますか?
知事:
そうですね、奈良市へ進出予定のマリオットが報道されましたが、先週東京に行ったときにホテル関係者、インベスター(投資家)を多少回ったんです。奈良県に応募された提案も、そういう状況を受けて慎重に審査していただいています。
だから多少審査期間が延びるように聞いています。やはりああいうことに拙速でなっちゃいけないと思うので、確かなところを確かめながら進めなければいけないと思って慎重に審査をしてもらっています。
その状況を踏まえて、東京で全体の環境の調査というか、いろんなことをしてきました。ホテルの投資関係者の方の話では、やはり1年前とは様変わりし、サブプライム(信用力の低い人を対象としたアメリカの住宅などのローン)の穴埋めのために、外資の方は世界中から資金を引き上げているということです。日本だけではなしに世界中の、アメリカ中心としたファンドが手を引いてるというような状況です。
アメリカの景気がちょっと最近不透明になって、東京などに進出した高級ホテルで一泊5万円とかの値段のお客さんが随分減っているようなんですね。それから資材の高騰ですね。平米単価か坪単価かちょっと忘れましたけど、1坪100万円のが180万円とかというぐらいなってると。これは全くサブプライムとはまた別の話ですけど、オイル高ということですけれども、そのような状況なので1年前と様変わりになったと。ファンドが日本の既設のホテルとか旅館を買いあさるという言い方は変ですけども、たくさん買って日本のホテル王は外資だと、今もそうかもしれませんが、それがどのように撤退されているかわかりませんが、投資の意欲はもう激減しているという環境にあると聞いてきました。
そのような環境の影響を受けて、奈良市のホテルも資金が難しい状況にあるのではないかと理解をしています。県営プールの方もそういう状況の中での立ち上げですので、なかなか厳しい状況だなと再認識してきました。審査をもう少し慎重に進めていきたいと思いますけれども、その様子を見てまた次どのように考えていくか、もう少し進めたいと思います。
奈良市内の状況を考えると他に建てる場所がほとんどありませんので、あそこは今のところ最適地だと思いますけれども、平城宮跡が国営公園になるというのと、奈良公園を筆頭にするということからしますと、あそこに是非ともいいホテルを作りたいという気持ちは変わりません。
記者:
そうしましたら、ホテルの審査結果の発表は少し伸びるのですか?
知事:
少し延びる可能性は、ありますね。
記者:
その後のスケジュールも一緒にずれる可能性が?
知事:
ずれる可能性がありますね。今の計画では2010年の秋の祭典は立派なものになると思いますが、そのときに間に合えばということで、ちょっと急いでスケジュールを立てた面があります。まだ間に合わないということまでスケジュールが押し詰まっていませんが、遅れるという可能性はあると思います。まだ遅れると決まったというか、そこまでスケジュールは煮詰まっていないのですけれども。
記者:
審査というのは、実際具体的にどのぐらい延びそうな?
知事:
審査は、まだ具体的にどこまでだと聞いていません。事業の詰めをされていると聞いています。
記者:
1カ月か2カ月か、そのぐらいの期間で?
知事:
そうですね、半年延ばしたら固まるというものでもないと思いますので、しかも公募しても提出されなかった、ほかの方も公募の条件でどのようにおりられたかということを調べに行ったのですけど、あまり聞いていなかった人もいますしね。
外資系のホテルは、オペレーター(ホテル運営会社)は気楽なんですね。自分で損しないように。投資家はホテルみたいな回収に時間のかかる投資は、大変らしいんですよね。その間にオーナーというか投資家がどんどん変わっていくような状態らしいんです。それに浮き沈みがあると、そのときのリスクをどうとるか、営業が悪くなったときのリスクをどうとるかというのがあろうかと思うんですよね。
そんな事業、案件なので、県庁としてはもちろん慣れてないのだけれども、県有資産を底地にして立派なホテルを作りたいという気持ちは強く持っておりますので、その中でこういう状況にぶち当たったと思うんですけれども。
奈良にホテルは少ないということはみんなよく知っておられます。だから奈良は浮き沈みもあってなのか、大阪、京都に泊まって奈良へ来られるという状況にある観光地だということはよく知っています。
ハンディとしては、高さで、例えば東京なんかすごい高層ホテルで、知事会のあったホテルなんかは泊まったのが58階とかびっくりするような階層でした。あんなホテルはちょっと奈良には建てられませんので、そういう投資のハンディはあろうと思います。だから、中低層での高級ホテルという立地がある程度可能かと思いますので、その道を探っていきたいと思います。多少苦労がもう少し続くかなと思いますけれども、ぜひとも実現していきたいと思っています。
記者:
さっきおっしゃっていた不確かなところがあるというのは、これは資金の面でということですか?それともそのものが?
知事:
資金の面ですね。何より大事なのは事業主体というんですか、エクイティー(出資)というのかね、出資者ですね。あとデット(負債)というか借入金の部分は出資が決まればその人がリスクをとるわけで、融資のリスクというのは長期的なのでね、よっぽど営業が落ち込まないとそのリスクは発生しないと思うんですよね、資金回転をしていればね。
ところが、営業の利益が上がらないと配当がないという意味で出資者への還元ができない。ホテルの利益というのはなかなか息の長い仕事、商売ですので、出資者にリターンがあるというのはなかなか先になるのが普通です。それでもホテルが建てやすいとか金が回るというときには、ホテルの投資というのは殺到するぐらいホテルラッシュがあったわけです。奈良はホテルラッシュの相変わらず後ろの方だったから、このオイルショックとかその前にホテルの動きがあればまた違ってたと思います。
1年前か2年ほど前にこういう話をすれば随分違ってたと思いますけど、これはちょっとやむを得ないですね。何でも世の中の早目にすれば、すべからくうまくいくのに、後ろの方につくと苦労が多いなという面でもありますけれども。
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ふるさと納税について
知事:
先日、ふるさと納税の取材が東京であったんですよ。取材をされたマスコミの方に「奈良県を何で取材するのか」と聞くと、商品というかお礼が豪華だということらしいですね(笑)。奈良県はふるさと納税で集まった額は、先週土曜日に東京で取材を受けた時は、まだ100万円ぐらいなんですね。全国でも多いところで400万円程度とか。
だから財政再建の切り札にはならないのですが、そのときの取材でも言いましたけれど、これはふるさと出身者とのコミュニケーションとして大いに役立てたいと。県人会を中心に頼っていくと、愛知県人会へ行ってふるさと納税のリーフレットを配ると、それでも何十万か集めてもらいました。東京県人会はまだ秋ですけれども、今、知事室の横にふるさと納税募集のリーフレットが置いてあります。県内の有力な人とお会いする機会があれば、「東京におられる息子さんにふるさと納税してくださいよ」と言おうかと思ったりして置いています。商品はふるさと奈良の大和肉鶏とかヤマトポークとか大和牛とか、送るようにもしたりね。それは他府県と競争してたくさんとろうというよりも、ふるさとの香りが届くようにと思っているのとあわせて、ふるさとの消費がこれで上がればいいと思ったりしています。そのような趣旨をテレビの取材でお話ししました。
そうですね、ふるさととのコミュニケーションとか工と農とのコミュニケーションとかというのは、より重要になっているように思います。
司会:
ほかにご質問はありませんか?
それでは、以上をもちまして定例記者会見を終わらせていただきます。
また、本日の案件につきましては、担当部局の方に詳細な取材をいただければと思います。
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(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)