日経スペシャル/ガイアの夜明け

-時代を生きろ!闘い続ける人たち-

Tuesday  22:00  ON AIR/Navigator:役所広司/Narrator:蟹江敬三

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日経スペシャル「ガイアの夜明け」
2002年5月19日放送

◆ 第 6 回 ◆

予告 ●公立病院は生き残れるか!? 院長たちの闘い
  あなたの町の公立病院がなくなってしまう!? そんなことが現実になる日が来るかもしれない…

  いま、全国の自治体の多くは大きな赤字を抱えており、危機的な財政状況にある。公立病院は自治体が経営しており、自治体の赤字の大部分が公立病院への赤字補填によるものなのだ。不良債務の全国合計はおよそ1兆円。公立病院の何と9割が赤字に苦しんでいる。公立病院は、まさに破綻寸前の状態といえる。

予告 「赤字とはいえ、公立なのだからまさか病院が無くなるなどということは…」――。その”まさか”が現実になりつつある。”存続”か”廃止”か。公立病院はいま、岐路に立たされている。経営母体である地方自治体が赤字で悲鳴をあげているいま、公立病院自身が自らの力で経営を再建し、自立することが必要不可欠になっている。 番組では、経営再建に立ち上がった病院長の姿を通して、日本の公立病院の置かれている現状とその未来像を描く。

  番組ではまず、実際に経営再建をあきらめた事例を取材した。北九州市にある市立戸畑病院は4月1日付で民間の共愛病院に譲渡された。譲渡金額は13億円。医師、看護婦、事務スタッフは総入れ替えされ、入院中の重症患者も他の病院に移された。管轄する北九州市病院局は「苦渋の選択だった」と言うが…。

  一方、苦しい状況の中で経営改革の努力をすることで、再建に取り組む病院長もいる。長野県駒ヶ根市にある昭和伊南総合病院の院長、宮沢幸一さんは、累積赤字32億円を抱える病院の再建に取り組んでいる。「医療は究極のサービス業」という信念のもと、宮沢院長がまず取り組んだのは“意識改革”だった。東京からマナーの専門家を呼び、患者に対する“接客”の仕方を看護婦たちに教育している。また、投書箱を設置し、患者からの要望や苦情に対して迅速に対応している。寄せられた投書と共に病院内の会議で検討した解決策を併記して掲示板に貼り公開していることからも、その真剣さがうかがえる。さらに、“コスト削減”にも取り組んでいる。医薬品や医療器具の在庫の無駄をなくすため、物流管理システム(SPD)を導入。納品業者との価格交渉など、民間並みの努力もしている。

  また、香川県坂出市にある坂出市立病院の院長、塩谷泰一さんは、全国の公立病院関係者の間では知らない人がいないほどの有名人。というのも、かつて25億円の累積赤字を抱えていた同病院を立て直した“再建の達人”だからだ。1991年(平成3年)当時、その債務比率は全国ワースト1位。自治省(当時)から「そんな病院はいらない」と、廃止勧告を受けるほどの病院だった。医療内容も「安かろう悪かろう」といった劣悪なもので、地域住民からの信頼も消え失せていた、と塩谷さん自身が振り返るほどだ。信頼を回復するために始めたのが「かわらなきゃ」の仕掛け作りだった。病院と看護部の基本理念を初めて制定し、年度目標の発表会を実施したり、医師が参加しての予算編成など、15項目以上にわたる改革を、塩谷さんのリーダーシップのもとで実行した。その結果、1998年度(平成10年度)に赤字は解消した。そして、現在もその改革は続いている。坂出市立病院には、再建の成功事例を学ぼうと全国から毎日のように自治体他病院関係者が視察にやってくるようになっている。

病院の院長には、医師がなることが決められている。宮沢さん、塩谷さんはともに、青年のときに大きな志を抱いて医師になった。その終着点が院長だったが、そこで求められたのは医師としてではなく“経営者”としての能力だった。地域住民の健康を守るために、医師として、そして経営者として公立病院の再建に奮闘する病院長たちの姿を通して、あるべき公立病院の理想像を探る。  

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