地方競馬が絶好調、ネット馬券のびる 在宅の時間増えて

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大平要
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 川崎競馬の売り上げが伸び、コロナ禍のもとで税収減に苦しむ神奈川県川崎市の財政を助けている。2020年度の両自治体への収益配分は過去最高を更新した。感染対策で無観客開催が続いたのに、馬券の売り上げは絶好調。なぜなのか。

 川崎競馬を運営するのは、神奈川県と川崎市が00年に設立した県川崎競馬組合。かつては赤字続きで、04年度末には累積赤字が36億に達した。施設の改善やファンサービスの充実に取り組み、15年度からは県と市に売り上げの一部を配分してきた。

 組合によると、今年3月の開催分を含む20年度の馬券売り上げは、前年度比20%増の920億円になりそうだ。年間を通じて、無観客や入場者数を制限しての開催となったが、「ステイホーム」が広がるなかインターネットを中心とした在宅投票が急増、前年度比54%増の862億円に達する。

 馬券は売り上げの75%が配当に回るため、支出もその分増える。一方で、川崎駅前からの送迎バスや会場警備などにかかる費用が数億円減った。

 もうけをもとに、組合は県に40億2千万円、川崎市に20億1千万円を配分する。計約60億3千万円の配分は過去最高で、前年度の11倍にあたる。県は学校環境の整備や市町村の地方創生事業への補助に充てるという。組合は「できるだけ配分を増やして地方財政を支えたい」(事務局)としている。

集客が難しくても

 地方競馬は全国的に好調だ。中央競馬(JRA)の20年の売り上げは前年比4%増にとどまるが、地方競馬全国協会によると、地方競馬全体の昨年4月から今年1月までの馬券売り上げは前年同期比30%増の7699億円。とくに佐賀(前年同期比62%増)、門別(同56%増)、帯広(同56%増)、姫路(同54%増)、高知(同52%増)など、比較的規模の小さい競馬場での伸びが大きい。

 また、地方競馬全体の在宅投票は同60%増。JRAに比べて遅れていたインターネット投票が大きく伸びている。集客が難しい地域の競馬場の売り上げが伸びているのはこのためだ。

 地方競馬全国協会の広報担当…

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