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「プロを使えば?」『ジュラシック・ワールド』の声優騒動、ファンからもっともな指摘

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「金曜ロードショー」公式サイトより

 日本テレビ系「金曜ロードショー」で8月4日に放送された映画『ジュラシック・ワールド』。2015年に公開され、全世界で16億ドルという超ヒット作のテレビ初登場とあって映画ファンの注目を集め、視聴率も13.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)となかなかの数字をマーク。だが、劇場版での日本語吹き替えではオーウェン役を玉木宏、クレア役を木村佳乃が演じていたが、テレビ放送ではそれぞれを山本耕史、仲間由紀恵へと変更。

 一部の視聴者から違和感を覚えたという声がSNSなどであがったほか、玉木と木村の両事務所がメンツを潰されたと激怒しているなどと一部スポーツ紙で報じられ、プチ炎上を招く事態となっている。

 2人以外にも、グレイ役が松岡茉優から村瀬歩、ザック役が内山昂輝から上村祐翔と、「金曜ロードショー」での放送にあたりキャスティングは全役が変更されている。『ジュラシック・ワールド』公開当時のレビューなどを見ると、玉木はそこそこながら木村にかんしては厳し目の感想がたしかに目立つ。女優としては確固たる地位を築いた彼女だが、声優業とは相性が悪かったのかもしれない。

 なお1993年にスティーヴン・スピルバーグ監督の手により公開された、シリーズの第1作『ジュラシック・パーク』の日本語吹き替えは、ラン・グラント博士役を故・富山敬、エリー・サトラー博士役を故・弥永和子、イアン・マルカム博士役を大塚芳忠、ジョン・ハモンド役を故・永井一郎など、当時すでにベテランで演技力もたしかな、声優ファンとしてはたまらない豪華で渋い面々がキャスティングされていた。

 登場人物は変われど、シリーズ第2作『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』、第3作の『ジュラシック・パークIII』でもベテランプロ声優を起用しつづけてきた『ジュラシック・パーク』シリーズ。劇場公開時とテレビ放送時とで吹き替え声優が交代されるようなこともなかった(「金曜ロードショー」7月28日放送回では『ジュラシック・パーク』が放送されたが、もちろん吹き替えはそのままであった)。

 ところが、シリーズ第4作となる『ジュラシック・ワールド』からは玉木、木村、松岡に加え、ちょい役ながらオリエンタルラジオの藤森慎吾、中田淳彦なども出演。その他の脇役たちのほとんどをプロの声優が固めてはいるが、宣伝のためなのか、キャスティングの方向性をガラリと変えてきている。

「ネット上のアニメ・声優ファンたちと思われる層からは、『そもそも最初からプロの声優を使えばよかったのに』といった意見が多くあがっていますね。アニメやゲームだけでなく、洋画の吹き替えやナレーション、舞台を中心に活動する声優さんもいます。そういった声優さんたちは、俳優さんやアイドル的な声優さんよりも知名度は劣るかもしれませんが、声での演技力は抜群。彼らを起用すれば余計な騒動はたしかに起きなかったでしょうね。

 宣伝活動の影響力を考えて、劇場版の吹き替えに俳優さんを起用するのもわかります、劇場版アニメでも主役・ヒロインに俳優さんやアイドルを起用するケースは多いですから。なのに、なぜ地上波の吹き替えをわざわざ俳優さんから俳優さんに変えたんでしょうかね」(アニメ誌ライター)

 ちなみにシリーズ第5作となる『ジュラシック・ワールドII』の公開を来年18年に控えている。どんなキャスティングとなるのか、悪い意味で注目が集まりそうだ。
(文=編集部)

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