「魂のピアニスト」として世界的に知られるフジコ・ヘミングさんのコンサートが、6月23日に岡山市北区の岡山シンフォニーホールで開かれました。心に染み入るようなフジコさんの演奏とインタビューです。

(3回シリーズの第3回/第2回から続く)

【動画】では「モーツァルト ピアノ協奏曲第21番」第3楽章を観ることが出来ます。

ピアノ:フジコ・ヘミング 
指揮:ハンスイェルク・シェレンベルガー 
オーケストラ:ベルリン交響楽団

(「RSK70周年記念ベルリン交響楽団withフジコ・ヘミング」より)

フジコ・ヘミングさんにとって、岡山は思い出の地。太平洋戦争末期、岡山県総社市に疎開していたのです。

フジコさんは、ピアニストの母・大月投網子とスウェーデン人の画家で建築家の父の間にベルリンで生まれました。幼い頃、一家で東京に移り住み、母の手ほどきでピアノを始め、その才能を開花させました。

岡山に疎開したのは、戦火が激しくなった1945年4月。疎開先の小学校のピアノで毎日練習していたといいます。

2023年6月、思い出の地、岡山で久しぶりの演奏を終えて、その手ごたえを語りました。

(フジコ・ヘミングさん)
「きょうはよく出来て嬉しいです。私、岡山は戦争中に疎開していたので、とっても懐かしい。お祖母さんの生まれた土地でもありますから、懐かしくて」

「きょうの私のモーツァルトの協奏曲は、本当にいつもどこかでミスをしていたんだけど、今日は完璧に弾けたからすごく嬉しい」

「指揮者もすごく嬉しそうに私にほほ笑んでいたから。うまくいったねって」

(第1回はこちらから)