ヨーカ堂とヨーク、9月に合併 社名は「イトーヨーカ堂」
セブン&アイ・ホールディングスは16日、傘下の総合スーパー、イトーヨーカ堂と食品スーパーのヨークを9月1日に合併させると発表した。ヨーカ堂を存続会社とし、ヨークを吸収する。社名は「イトーヨーカ堂」とする。商品開発や事業管理を一元化してコストを削減、首都圏のスーパー事業を2026年2月期までに黒字転換させる計画だ。
セブン&アイの井阪隆一社長はかねて、グループ内にある首都圏のスーパー事業で統合・再編を行う方針を示していた。本社機能や商品本部を集約し、物流やシステムも統合することで固定費などのコスト削減を目指す。こうした計画の第1弾がヨーカ堂とヨークの合併となる。
セブン&アイは高級スーパーのシェルガーデンを含めた3社で構造改革を進める。ヨーカ堂とヨークの23年2月期の最終損益はそれぞれ152億円と23億円の赤字となった。合併によるコスト削減効果をテコに、ヨーカ堂を含めた首都圏のスーパー事業を今後3年間で黒字に転換させる計画だ。26年2月期にEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)で550億円を目指す。
投資ファンドの米バリューアクト・キャピタルはセブン&アイに対し、苦戦が続くヨーカ堂の売却を求めていた。井阪氏は「食を中心とした世界トップクラスのリテールグループを目指す上で、スーパー事業の知見は欠かせない」と強調。中核のコンビニエンスストア事業とともに食を中心とした成長戦略を描くなか、スーパー事業の立て直しの成否が焦点となっている。