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第7回 ─ 次世代CD、SACDって従来のCDとどう違うの?

連載
デジタルミュージックガイド
公開
2003/05/01   21:00
更新
2007/07/09   21:17
テキスト
文/四本 淑三

最近にわかに注目を浴び始めている新世代オーディオフォーマット、SACD。まだ認知度の低いこの新世代CDは実際のところどうなの? 従来のCDとの音質や価格の違い、CDユーザーのメリットとデメリットについて調査してきました。

思い起こしてみれば実に退屈だった80年代前半。だから私はまだ覚えている。CD発売当初の宣伝文句がこんな感じだったことを。

「デジタルだからいくらコピーしても音が劣化しない!!」

平和である。そしてあまりに無邪気である。当時はこのようにしてアナログ・レコードとの差別化を図る必要があったのだ。そしてなにより、この性質が将来のデメリットになろうとは、当時誰も予測していなかったのである。

というわけで今回のテーマは「次世代CD」。

CDの問題はリッピングに対して無防備であることに尽きる。そこで最近にわかに存在感を増してきたのが「DVD-Audio」「SACD(Super Audio CD)」といった、次世代CD規格である。どちらの規格にも最初からコピープロテクトの仕組みが含まれているわけである。

実はこれらの規格、ソフトもハードもすでに前世紀末から存在していた。本来ならば、現行のCDに対する圧倒的なオーディオ特性での優位、それこそが訴求すべきポイントだったはずなのだが、そこは一般的には評価されず、コピープロテクトの仕組みが注目されるというのは、ちょっと可愛そうな気もしないではない。
 
そのスペックの詳細は各規格のオフィシャルサイトを参照していただくとして、どちらもピュアオーディオ系の人ならば、あれこれ薀蓄(うんちく)を傾けたくなるような数値と差異で溢れている。ここまでのハイスペックが必要か、という気もしないではないが、音が良くて悪いことは何もない。

市場に受け入れられない新規格には「高い」「タイトルが少ない」「今後の主流たりうるか分らない」という要素が必ずあるわけだが、このうち次世代CDについて問題になるのはタイトルが少ないことだけだ。

実は調べてびっくり、ソフトの値段はすでに相当にこなれていたのである。たとえば@TOWER.JPの「キーワード検索(ALL)」を使って、"SACD ROCK"で検索してみたら14件ヒット。そのうちの1枚である『ベガーズ・バンケット』の輸入盤は2390円、国内盤は2718円。旧譜とすれば高いが、新譜と考えればごく普通の値段である。というかもうストーンズがSACDで買えるんですよお父さん!

一方のDVD-Audioもソフトの値段はほとんど変わらない。SACDプレイヤーは3万円台から売られていたし、DVD-Audio/SACDの両方に対応する、いわゆるユニバーサルタイプのプレイヤーなんていうのもある。もちろんこれらのプレイヤーは従来のCDも再生できるから、1台持っていればどの規格が主流になるかを様子見する必要もない。