菊地直子被告逆転無罪

「テロの認識あったと言えない」東京高裁 被害者は「罪の意識持っていたはず」

 オウム真理教による平成7年の東京都庁郵便物爆発事件に関与したとして殺人未遂幇助(ほうじょ)罪などに問われ、1審東京地裁の裁判員裁判で懲役5年を言い渡された教団元信者、菊地直子被告(43)の控訴審判決が27日、東京高裁で開かれた。大島隆明裁判長は「菊地被告にテロ行為で人を殺傷する認識があったか疑問が残る」として1審判決を破棄、無罪を言い渡した。菊地被告は判決後、東京拘置所から釈放された。

 菊地元信者は平成7年5月、爆薬の原料となる薬品を山梨県内の教団施設から東京都内のアジトに運搬。アジトで製造された爆発物は都庁に郵送され、開封した当時の都知事秘書、内海正彰さん(64)が指を失うなどの重傷を負った。事件は地下鉄サリン事件などに伴う教団への捜査を攪乱(かくらん)させる目的で行われた。

 裁判の争点は「菊地元信者に、運搬した薬品が爆発物などの危険物の製造に使われるという認識があったかどうか」だった。

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