(台東 16日 中央社)台東県延平郷桃源集落で15日、台湾原住民(先住民)ブヌン族の男性が、単独で巨大なオスのイノシシ2頭を仕留めることに成功した。1人が1日に2頭のイノシシを捕まえるのは、近年では珍しい。


男性は四十数年間に1000頭のイノシシを仕留めた経験のあるベテラン猟師。膝を負傷して数年前に引退したが、農作物や家畜への獣害が多発し、近隣住民から切実な駆除依頼が相次いだため、最近になり再び山へ登るようになった。

この日は、猟犬10匹を従え、イノシシが頻繁に出没していた家畜小屋周辺に出動。ほんの数分で1頭の若いイノシシが見つかり、猟犬がすかさず攻撃を仕掛けた。牙の長さは10センチ以上あり、体重は60キロを超える大物だったが、男性は約30分ほどして弱ったところを見計らい、刃物で心臓を突いて捕獲した。

2頭目は、下山の準備をしている最中に発見。
500メートルほど離れた場所にいたものの、全速力で駆けつけ仕留めたという。

攻撃の際、猟犬1匹がかまれて頭をけがした。男性は「猟の経験が少なく、猛進してしまったのだろう」とねぎらう。また、1回の猟で2頭の大物を仕留めるのは長年の猟師生活の中でも初めてと話している。

今年1月から今までに、イノシシ12頭を捕獲したと話す男性。「農民が攻撃されるのが怖い」と語り、今後も山に登る覚悟を示している。


(盧太城/編集:齊藤啓介)