尾上菊之助の6歳長女・知世ちゃん初舞台 7月「風の谷のナウシカ」の「幼きナウシカ」役で親子共演

7月の歌舞伎座「風の谷のナウシカ」で初舞台を踏む寺嶋知世ちゃん
7月の歌舞伎座「風の谷のナウシカ」で初舞台を踏む寺嶋知世ちゃん

 歌舞伎俳優・尾上菊之助(44)の長女、寺嶋知世(ともよ)ちゃん(6)が、東京・歌舞伎座7月公演の第3部「風の谷のナウシカ 上の巻」(宮崎駿原作、4~29日)で“初舞台”を踏むことになった。「幼きナウシカ」を演じる。

 10日から劇場などにお目見えするポスターやチラシにも顔写真が掲載。現在小1で目がパッチリとした利発そうな印象を与える顔立ち。出演のいきさつについて菊之助は「娘を舞台に立たせたいという思いは、今まで一度もありませんでした」としながら、「今回、新作歌舞伎ということもあり、また初演時に『幼きナウシカ』を演じていた方が女のお子さんだったこと、年齢もちょうどいいことから、娘にどうかと思いました」と明かす。

 歌舞伎俳優の家は一般家庭から見れば環境的にも特殊だ。「父親と兄(尾上丑之助)が歌舞伎役者であるため、歌舞伎や舞台は身近なものであり、本人も今まで口には出しませんでしたが、舞台というものに興味はあったようです」と娘の心中を推察する。これまで父親が出演する舞台には初日など劇場によく姿を見せている。子どもながら、歌舞伎俳優には男しかなれないことを理解できる時期でもある。

 菊之助なりの親心もあるだろう。あまりない機会だけに娘に出演を“打診”してみたという。「びっくりしていました。学校との両立のことをよく話し合い、数週間考えて本人が『出演したい』と決めました」と、その時の様子を説明する。決して無理強いすることなく、子どもであろうと、本人の出した答を尊重したかった。

 舞台に立つ限り、それなりの覚悟が求められる。初めてことばかりで戸惑うことも多いだろう。「舞台の厳しさの中でくじけず頑張ってほしいですね。あとは、何か経験として彼女の成長につながるものがあれば嬉しい。いずれにしても初めての経験ですので、自信をつけられるよう、お稽古をたくさんしないと、と思っております」。将来どんな道に進んだとしても、7月の経験は貴重なものとなりそう。

 2015年7月に長女が誕生したとき、「知世」の名前を「世の中をたくさん、世界を広く知ってほしい願いを込めて」命名したと語っていた。親としてまさにその願いを“実践”しているかのようだ。

 今作では菊之助が皇女クシャナを演じ、長男の丑之助(8)が「幼き王蟲(オーム)」を演じる。兄妹共演が決まり、丑之助の様子を「少し照れくさいようですが、先輩として教えてあげたい気持ちが強いようです」とコメントしている。

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