大多喜城分館リニューアルへ 県立博物館→町に移譲 5年後めどに耐震工事

2021年12月18日 07時10分

大多喜町へ移譲される県立中央博物館大多喜城分館(県提供)

 千葉県教育庁は、県立中央博物館大多喜城分館について、施設が所在する大多喜町に移譲することで合意したと発表した。今月二十七日から長期休館に入り、県が耐震やバリアフリー化など改修工事を図った上で町に引き渡し、早ければ五年後をめどに町営の博物館としてリニューアルオープンする見込み。
 近世大多喜城は徳川家康に仕え、「四天王」と呼ばれた武将の一人、本多忠勝が初代城主で、一八七一年に明治政府の廃藩置県で取り壊された。一九七五年に城の本丸跡に三層四階建ての天守閣造り(鉄筋コンクリート造り)の博物館として再建された。再建を記念した毎秋の「大多喜お城まつり」のメイン会場となるなど、町のシンボルとして観光客にも人気がある。
 二〇二〇年度に策定された指針「県立博物館の今後のあり方」では、地域史を扱う施設の地元での活用が示されており、今月九日に県と同町で将来的な移譲に向けて手続きを進めていくことで合意した。
 施設の展示室には甲冑(かっちゅう)や当時の城下町の暮らしが分かる商工業用具や古文書など約二百点が展示されており、移譲後も博物館機能は維持される。休館中も敷地内の立ち入りは可能とする。(中谷秀樹)

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