工事中断 現状変わらず 上関原発巡り山口知事
山口県の村岡嗣政知事は3日、中断している中国電力の上関原子力発電所(上関町)建設工事について「中国電からの説明はまだなく、現状に変化はない」ことを明らかにした。昨年の8月3日に県が中国電に対象地域の公有水面埋め立て免許の延長を許可し、1年経過したのを受けて記者会見した。免許は2019年7月6日まで有効で、県はそれまでに「本体工事着工の見通し」を示すよう求めている。
村岡知事は「原発本体の工事の見通しが立つ前に、コンクリートのさら地ができるというのはありえない」とし、改めて先行して埋め立て工事をすることは認められないとの立場を示した。中国電は6月30日に建設予定地でのボーリング調査を開始したが、これは断層の調査が目的であって海面の埋め立て工事とは無関係だとしている。
昨年県は11年3月の東日本大震災以降中断している工事について、4年ストップしていた海面の埋め立て免許の更新を認めた。一方で中国電には、国から原発新増設を認める方向が出されるなどして「原発本体の工事の見通しが立つまでは関連工事も始めるべきではない」と要請した。
経済産業省は9日から、3年ぶりに国のエネルギー基本計画の見直しを始める。原発の新増設を盛り込むか、原発の位置づけも含めて推移が注目されている。