人道支援物資9000件のうち3分の1が不明 ウクライナ軍向け 詐欺や密輸の疑い

国内外から届いた支援物資の小麦粉を小分けにする人たち=4月29日、ウクライナ南部オデッサ(桐原正道撮影)
国内外から届いた支援物資の小麦粉を小分けにする人たち=4月29日、ウクライナ南部オデッサ(桐原正道撮影)

ウクライナの税関は20日までに、軍向けの人道支援として海外から送られた9000件の物資のうち、3000件が未着のまま行方不明になっていると発表した。物資の送り元や内容は不明だが、国防省と税関は詐欺や関税法違反の疑いがあるとみて調査している。

日本や欧米諸国は、ロシアの侵攻を受けるウクライナに多額の人道支援を続けており、物資は主に隣国ポーランド経由で運ばれている。軍に届くはずの緊急物資の3分の1が適切に扱われていない実態が明るみに出た。

税関などによると、ウクライナの国内業者が通関手続きを簡略化するため、人道支援物資を装って商品を輸入している可能性のほか、密輸や詐欺の疑いがある。これまでの調査で、387件の違法行為を確認した。(共同)

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