アパホテルが療養者に配った献立表(提供)
アパホテルが療養者に配った献立表(提供)

「ご指摘のあった2つの宿泊療養ホテルのうち1つでカレーが出されていたことが調査でわかりました。1月は19日と28日、2月は3日、11日、18日の合計5回、いずれも昼食です。療養者に提供するお弁当は外部業者に委託をしておりますが、第6波になって以前に比べ症状の軽い療養者が多い。カレーを喜んでいただけると取引業者が判断し、メニュー変更となり、当方も問題ないだろうとカレーを提供いたしました。カレーはアパ社長カレーではなく、外部業者が調理したものです。現在はカレーの提供はしておりません」

 大阪府の基準1食900円に食費が達しない疑惑もある。アパホテルは次のように回答した。

「一部の宿泊療養ホテルで外部業者に委託をしておりますが、具体的な金額は差し控えますが、ホテルによっては多少、必要経費を差し引かせていただいている場合もございます。必要経費内容はお弁当の発注業務、届いた弁当の数量・内容のチェック、弁当の設置業務等です。現在は大阪府からの指示を受け、必要経費はいただいておりません」

 大阪府の吉村洋文知事はAERAdot.が報じた療養ホテルの”中抜き”記事を引用してツィート(2月24日付)。

大阪府の吉村知事がAERAdot.をリツイート
大阪府の吉村知事がAERAdot.をリツイート

<ここは改善します。大阪府は宿泊療養施設での弁当代として一食900円相当、一日3食計2700円分を宿泊療養施設に支給しています。(略)看護師さんによる検食や府における確認作業を強化します>と発信していた。

 厚生労働省のマニュアルには「(1食1500円の)食事提供費の交付金」には「配送料は含まない」と明記されている。配送費、配膳代相当分は別途、 国庫より支給される仕組みなっている。大阪府の行政指導を受け、アパホテルは「中抜き」を認めた格好だ。

 一方、東京も宿泊療養ホテルは現在、37施設あるが、アパホテルはうち11の施設を提供している。東京都に取材すると、弁当価格は1食1100円で、一日3食で3300円という。1食の差額400円で各療養ホテルにゼリーやレトルトのおかゆ、みそ汁、カップラーメンなどを用意しているという。都内のアパ系列のホテルAで昨年、療養した元コロナ感染者はこう話す。

「ホテルではアパ社長のカード、『アパ社長カレー』などと書かれたメニューが配られていましたが、弁当は価格500円前後と思える内容でとても1食1100円には見えませんでした。コロッケ、焼きそばと春巻き、カツカレー、サバの味噌煮、缶詰のフルーツに少しの野菜などスーパーのお弁当より内容は貧相です。多い揚げ物は格安冷凍品っぽく、体調を崩している時は食べるのが、辛い内容です」

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東京都とアパホテルを直撃すると…