DeNA戦力外なのに笑顔、理由は母の教えに 大橋武尊の異色幼少期
渡辺芳枝
戦力外通告を受けたばかりなのに、どうしてこんなに明るいのか。プロ野球DeNAベイスターズで育成選手として2年間プレーした大橋武尊(たける)(22)の歩みをたどると、その理由が見えてきた。
都心育ちで、甲子園は目指さず、留学先の米国で野球を学んだという異色の経歴は、2021年の入団直後から注目を集めた。
ファームでは今季81試合に出場したが、支配下登録はかなわなかった。来季はメキシコのプロリーグでプレーすることが、11月に発表されている。
ド都心で育った幼少期
父は会社経営者、母は大手航空会社CAで、都内の「産院御三家」とも呼ばれる愛育病院(港区)で生まれた。
3歳まで六本木(港区)の高層マンションに暮らし、その後は高輪(港区)、勝どき(中央区)で育った。
運動環境という意味では、決して恵まれてはいない。
「キャッチボールできる公園は少ないし、気軽に壁当てできる場所もなかった」。子ども時代を、そう振り返る。「でも、運動ができなくて窮屈な思いをしたことはなかったと思う」とも。
母と「2時間の日課」、運動能力の原点
大橋と、母・佳代子さん(52)には、共通する記憶がある。
「小さい頃から、とにかくよ…