韓国版ふるさと納税がスタート 日本に学べ、返礼品や寄付にも工夫

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編集委員・秋山訓子
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 韓国で2023年1月から日本のふるさと納税をモデルにした制度「故郷愛寄付制」が始まった。過度の返礼品競争などが生じている日本の問題点を踏まえ、NPOへの指定寄付など地域課題解決型の寄付を進めようとしている自治体もある。日本の先例に学ぼうと、自治体間の交流も始まっている。

 韓国では少子高齢化に加えて都市部への人口流出が深刻だ。政府傘下の機関が2018年に出した「地方消滅報告書」では、全国の自治体のうち約半数が30年以内に消える可能性があると指摘している。

 「故郷愛寄付制」で、自治体は都市部の財源が回ると期待する。年間10万ウォン(約1万500円)までは全額が税金から控除される。それ以上の額になると500万ウォン(約52万円)まで16・5%が控除され、寄付金の30%を限度にした返礼品も受けられる。

 日本のふるさと納税は問題点も指摘されている。住民がほかの自治体に寄付することで税収が大きく減ったり、寄付を受ける側でも返礼品や仲介サイトの経費を引いた収支で赤字になったりする例が相次いでいる。税金が仲介サイトへの経費などに使われ、高額納税者が有利になる現状に批判もある。過度の返礼品競争に、総務省は返礼品の経費は寄付額の5割以下にする基準を設けているが、それを超える自治体も相次いでいる。

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