職員自殺「公務災害」認定 愛知、上司からパワハラ
2018年7月、愛知県小牧市の男性職員=当時(30)=が上司からのパワハラを受けたことを示すメモを残して自殺した問題で、地方公務員災害補償基金が職員の自殺を公務員の労働災害に当たる公務災害に認定したことが分かった。認定は今月17日付。小牧市が21日明らかにした。
職場での上司のパワハラが自殺の原因として、遺族が18年10月、同基金愛知県支部に申請書を提出し、同基金が認定の可否を判断していた。
山下史守朗市長は「現在、再発防止に取り組んでいるが、今回の認定を重く受け止め、今後のさらなる取り組みを含め、真摯に対応していく」とのコメントを発表した。
男性職員は当時、情報システム課で勤務。遺族の求めで調査した第三者委員会は昨年6月、パワハラがあったと認定し、「パワハラが原因で精神疾患にかかり、自殺につながった可能性が高い」とする報告書を公表した。
報告書では、男性職員に威圧的な言動を続けたり、他の部下とは談笑してもこの男性職員とほとんど会話をしなかったりするなど差別的な扱いがあったと指摘した。上司の言動や指導方法は業務の適正な範囲を超え、精神的な苦痛を与えたと認めた。
市は昨年7月、上司の女性係長を停職6カ月、パワハラを防げなかったとして同課の男性課長を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分とした。〔共同〕