ハレー彗星、繰り返される終末説

2011.05.23
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76年の周期で地球に接近するハレー彗星は、いつの時代も災難の前兆と見なされてきた。例えば1910年、ハレー彗星の接近が目前に迫った欧米諸国はこの世の終わりが来るという噂で大騒ぎとなった(イラストは、この世の終わりを唱える人々を皮肉る当時のフランスの風刺画)。

 1999年出版の『Apocalypses: Prophecies, Cults, and Millennial Beliefs through the Ages(終末観と予言の歴史)』によると、「地球はハレー彗星の尾に含まれる有毒ガスで覆われ、地球上の生物はすべて窒息死する恐れがある」というフランスの天文学者カミーユ・フラマリオンの説を多くの人々が信じていたという。

Artwork courtesy Library of Congress
 76年の周期で地球に接近するハレー彗星は、いつの時代も災難の前兆と見なされてきた。例えば1910年、ハレー彗星の接近が目前に迫った欧米諸国はこの世の終わりが来るという噂で大騒ぎとなった(イラストは、この世の終わりを唱える人々を皮肉る当時のフランスの風刺画)。 1999年出版の『Apocalypses: Prophecies, Cults, and Millennial Beliefs through the Ages(終末観と予言の歴史)』によると、「地球はハレー彗星の尾に含まれる有毒ガスで覆われ、地球上の生物はすべて窒息死する恐れがある」というフランスの天文学者カミーユ・フラマリオンの説を多くの人々が信じていたという。

 また同書によると、このパニックで儲けた人もいたようだ。彗星の有毒ガスから身を守るためのマスクや“彗星薬”なるものが飛ぶように売れ、特にローマでは酸素吸入器具もよく売れた。地球がハレー彗星の尾を通過する間、瓶詰めの空気を吸って生き延びようとしていたという。

Artwork courtesy Library of Congress
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