【DeNA】ついに12球団最速CS進出完全消滅 三浦大輔監督1年目でBクラス確定 開幕時助っ人不在響く

7回1死一塁、上本崇司の二塁盗塁の判定に三浦大輔監督がリクエストするも覆らず
7回1死一塁、上本崇司の二塁盗塁の判定に三浦大輔監督がリクエストするも覆らず

 ◆JERAセ・リーグ 広島3―0DeNA(12日・マツダスタジアム)

 DeNAが広島に敗れ、今季のCS進出の可能性が、12球団最速で完全に消滅した。三浦大輔監督就任1年目は、セ・リーグ最長となる23年連続でのV逸となっただけでなく、2年ぶりのAクラスも逃して、Bクラスが確定した。

 最後の最後でまたしても失速し、わずかに残されていた希望が絶たれた。9月20日の中日戦(横浜)ではロメロが来日初完封で3連勝に華を添え、今季初の単独4位に浮上。最大「17」あった借金は4月14日以来約5か月ぶりの1ケタとなる「9」まで減った。だが、翌21日ヤクルト戦(横浜)からまさかの7連敗。さらに2勝を挟んで5連敗。再び最下位に転落し、51勝68敗15分けで借金が「17」にまでふくれあがり、CS進出完全消滅が決まった。

 なにより痛かったのは、開幕からの出遅れだ。いきなり開幕から8戦勝ちなし6連敗を喫し、再び4月9日からは12戦勝ちなし10連敗と、いきなり迷い込んだトンネルは長かった。18試合目の4月15日から早くも借金2ケタ生活がスタート。42試合目の5月14日には早くも自力優勝の可能性が消滅した。今季から新指揮官となった三浦監督は、いきなり厳しい戦いを強いられた。

 だが、三浦監督の手腕を責めることは出来ない。開幕時には12球団で唯一、外国人選手が1人も来日出来ていなかった。打線の中心を担うオースティン、ソト、救援の柱となるエスコバー、先発の一角を期待されたロメロ、ピープルズらがまさかの不在。三浦監督の構想は大きく崩れた。コロナ禍での不測の事態だったとは言え、他球団では来日出来ていた助っ人もいた。外国人頼みのチーム編成も浮き彫りになり、三原代表が4月中旬に「最も大きな原因は外国人選手の入国が遅れてしまったことだと思います。本来、新任の三浦監督を迎えるに当たって戦力面でも環境面でも整えてスタートを切ることが我々の仕事だけどそれを出来なかったことを大変申し訳なく思っております」と謝罪する異例の事態になった。

 実際に、外国人選手が本来の力を出し始めた5月以降は、他球団とも対等な戦いぶりが出来ている。3、4月だけで15個の負け越しがあったが、5~9月の月別成績を見てみると、交流戦のあった6月は4つの勝ち越し。最も勝率の低かった7月でも借金はわずかに1だけだった。毎年苦しむ交流戦でも、優勝争いを演じて3位に食い込んだ。

 来季への希望もある。直近2年間は苦しんでいた桑原が「1番・中堅」で復活。打率3割をキープしてFAで巨人に移籍した梶谷の穴を埋めた。さらにドラ2ルーキーの牧を開幕スタメンで抜てきすると大躍進。新人史上初のサイクル安打を達成するなど、新人らしからぬ働きを見せ、6日の阪神戦(横浜)からは、球団の新人では61年ぶりに4番にも座った。楠本は代打で存在感を示し、捕手でも山本を積極的に起用。宮崎、オースティンらの中軸、昨季首位打者に輝いた佐野らの打順も柔軟に組み替えて、力を引き出した。

 投手陣では京山、坂口ら若手先発陣が成長。手術明けの今永、東らが来季への手応えをつかみ、育成で加入した宮国も復活を果たした。救援では19年から16、17試合登板にとどまっていた砂田が50試合以上に登板。平田、三上、田中健らベテランの存在感も増した。エスコバー、三嶋、山崎という勝利の方程式も一時は確立された。

 1998年の優勝から、頂点から遠ざかっているベイスターズ。10日のドラフト会議では将来のエース候補とも言える市和歌山高の小園健太投手(18)を1位指名し、2位で早大・徳山壮磨投手(22)、4位で三浦銀二投手(21)と即戦力右腕2人も指名した。2022年。横浜に歓喜をもたらすために来季こそは、24年ぶりの栄光へ向かっていくしかない。

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