宇宙開発事業団ホーム > プレスリリース > 1997年6月 > 地球観測プラットフォーム技術衛星「みどり」の運用異常について
平成9年6月30日
宇宙開発事業団
地球観測プラットフォーム技術衛星「みどり」(ADEOS)が平成9年6月30日9時46分頃に日本上空を通過した際、宇宙開発事業団地球観測センター(埼玉県鳩山町)で地球観測データが受信されませんでした。衛星の運用状態を確認したところ、衛星になんらかの異常が発生し、衛星の運用状態が軽負荷モード(観測機器等を全てオフにして衛星の電力消費を最小限にするモード)へ移行していることが確認されました。
その後、宇宙開発事業団の沖縄宇宙通信所において2回(11時30分頃、13時15分頃)にわたって衛星の状態を確認したところ、衛星が日本上空を通過する9時46分以前に一度姿勢を喪失し、地球捕捉モードに移っていることを確認しました。また、太陽電池からの供給電流がゼロ状態を示しており、衛星はバッテリのみで運用されていることを示すテレメトリデータが取得されました。
今後は、衛星からのテレメトリデータを解析するとともに、さらにスウェーデンのキルナ局等において衛星状態を把握し、正常な状態に戻すべく全力を尽くす考えです。なお、フランスの宇宙機関であるCNESに衛星の追跡支援をうける予定です。
宇宙開発事業団においては、本日12時に緊急対策チームを設置し、対処しているところです。