歴史戦 第10部・終わらぬプロパガンダ

(6完)「南京事件」広めた本 著者の豪人記者は中国からカネ貰って執筆した…そんな本が「百人斬り」脚色、裁判をも影響

この女性は国営新華社通信(英文)も昨年9月に配信した記事で取り上げていた。中国にいる元慰安婦や関係者が自由に外国メディアからの取材に応じることはないとみられる。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)も昨年6月、『中国人慰安婦』を出版した中国人教授に取材した。この教授は「歴史と未来のために、旧日本軍が敵国の女性や市民を言葉にならないほど残忍に扱ったという点を指摘することも重要だ」と、執筆の動機を語っている。

慰安婦というと韓国のイメージが強く、中国人慰安婦には焦点はあたってこなかった。しかし、昨年6月、中国は慰安婦に関する資料を国連教育科学文化機関(ユネスコ)記憶遺産に登録申請した。今後の展開をにらみ、欧米メディアを巻き込んだ宣伝戦が始まっている。

=第10部おわり

この企画は池田祥子、岡部伸、河崎真澄、田北真樹子、田中靖人、原川貴郎、矢板明夫が担当しました。


歴史戦 第10部・終わらぬプロパガンダ

「歴史戦」第9部で南京攻略に参加した元兵士らの証言を掲載したところ、多くの反響があった。第10部では、新たに明らかになった日記や手帳を紹介するとともに、中国側がどのような宣伝戦を展開したかも詳述する。

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