米大リーグの風物詩で日本人選手も洗礼を受けてきた、新人に恥ずかしい扮装をさせる恒例行事。今季もドジャース・前田健太投手(28)がチアリーダー姿を披露したが、女装は見納めになりそうだ。
大リーグ機構が選手会と先月合意した新労使協定で、“いじめ”を禁じる方針が盛り込まれた。その一環で人種、国籍、年齢、性別などで人格を傷つける衣装、および女装を選手に仕向けることが禁止となった。
大リーグではシーズン終盤の遠征中に新人が私服を隠され、用意された恥ずかしい衣装を着たまま移動する通過儀礼が慣例となっている。今回の女装禁止令には現役選手やOBから「自分は女装で税関を通るのが誇らしかった」「チームの一員になれた気がした」と反論も挙がっている。マエケンとともに9月にチアに扮したストリップリング投手は「女装した最後の選手の1人になれて光栄だ」とツイートした。
歴代の日本人大リーガーでは、イチローや岩村明憲が米飲食チェーン「フーターズ」名物のホットパンツにタンクトップの女性店員に扮した。田沢純一は「オズの魔法使い」の主人公ドロシーに変身。川崎宗則は羽がついた妖精風のレオタード姿に。こうした笑撃シーンはもう見られない。
ただし、アニメのヒーローのコスプレなどは今後もOK。ダルビッシュの競泳水着、松井秀喜や黒田博樹がど派手な柄物を着込んだポン引き風衣装もおとがめなしだ。