沖縄県内大手企業などが計画している沖縄本島北部のテーマパーク建設で候補地の一つとして嵐山ゴルフ場(今帰仁村)が挙がっていることが、複数の関係者の話で12日までに分かった。

 同計画を巡って、市場分析などを手掛ける「刀」の森岡毅CEOらは12日、国会内で菅義偉官房長官に支援を要請した。森岡氏は要請後、沖縄タイムスなどの取材に、2020年代前半の開業を目指していることを明らかにした。

 菅氏は「国のできる範囲で、全力で支援する」と応じ、道路などインフラ整備が重要との認識で一致したという。

 森岡氏は開業時期について土地の取得交渉など不確定要素があり断定できないとした上で、「20年代前半で、どれだけ早く持ってこれるか」と述べ、早期開業を目指す考えを示した。

 候補地は本部町など複数あり、「民間の土地を念頭にプロジェクトを進めている」と明らかにした。公有地での建設は現段階で考えていないという。

 計画に賛同しているオリオンビールやゆがふホールディングス、リウボウなどと年内に準備会社を設立する。この他にも複数の県内企業や本土企業が関心を寄せており、準備会社設立ヘ向け最終調整に入っているとした。準備会社を設立して1年から1年半をめどに建設地を決める方針。

 要請にはオリオンビールの嘉手苅義男会長、ゆがふホールディングスの前田貴子CEO代行も同行し、沖縄自動車道の名護市内や本部町までの延伸や鉄軌道の整備を求めた。福井照沖縄担当相にも同様に要請した。

美ら海水族館と相乗効果 インフラが課題

 森岡毅CEOと記者との主な質疑は以下の通り。

 -テーマパークのコンセプトは。

 「複数の候補地に、それぞれコンセプトが何パターンもある。土地とコンセプトはセットになるので、組み合わせにさまざまな可能性が残っている」

 -なぜ沖縄で北部か。課題は。

 「沖縄は飛行機の移動距離3時間圏に2億6千万人の人口が入る。日本で最も観光の伸びしろが大きい。北部には美ら海水族館がある。相乗効果で北部に人を呼びたい。客単価を上げるのに必要なのはコンテンツだ。課題はインフラの整備だ」

 -IRも選択肢にあるか。

 「今は1ミリも視野に入っていない。将来のことは断定できないが、本当に高性能なテーマパークができれば、それだけで他の投資は集まってくる。最初の一歩を成功させることを優先するべきだと私は思う」