中国新聞カープ情報
打線も援護 永川初先発白星'04/8/15

阪神―広島20回戦(10勝10敗、18時、大阪ドーム、四万八千)


広 島000410100―6
阪 神012000000―3
▽勝 永川13試合2勝1敗4S
▽S 大竹26試合4勝4敗9S
▽敗 ホッジス5試合1勝3敗
▽本塁打 緒方22号1(藤川)

●…広島は四回一死満塁から、野村が走者一掃の同点二塁打、さらに石原の適時打で勝ち越した。七回は緒方のソロで加点した。初先発の永川が5回3失点で2勝目。阪神のホッジスは四回途中でKO。攻撃も14残塁と拙攻を繰り返した。

【写真説明】プロ初先発で、5回を3失点にまとめ2勝目を挙げた永川(撮影・森田達也)

▽球炎 あべこべ継投に悲壮感

好打に好守、好投の三拍子そろったナイスゲームに、今季の低迷要因がある。永川がプロ初先発を務めて、大竹が抑えて勝つ。あべこべになった投手リレーは誤算に誤算を上塗りした結果、生まれたものだった。1カ月ぶりの連勝にも、なぜか悲壮感が漂ってしまう。

本当に頭が下がる。大竹が九回を抑え、ガッツポーズしている姿がしのびなかった。最も大事な場面を1イニングではなく2イニング、それも2試合連続で投げた。明日なき戦いを演じるチームと投手陣の屋台骨は、1軍最年少の21歳の男が背負っている。

永川と大竹が立場逆転した光景は、投手陣が必勝パターンを失い、迷走してきたことを示す。もし永川が抑えとしてしっかりしていれば、開幕当初に先発で見せた大竹の勢いがチームに元気をもたらしただろう。今ごろは新人王争いをしていたかもしれない。そんな夢もあったのだ。

昨年活躍した選手が不振になると、チームは多大な影響を受ける。本来の役回りを考えれば、永川に先発初勝利は無用なものだろう。これは残り試合での巻き返しとする契機にしてもらわなければならない。来季は同じ失敗が許されないのである。(木村雅俊

▽5回3失点 粘りの投球

笑顔のない勝利投手だった。永川は肩で息をしながら、五回まで何とか投げた。7月28日以来の1軍マウンドがプロ初先発。8安打、3失点の内容に「野手の方に助けられた」。口ぶりには不満の色が濃くにじんだ。

初先発の重圧というマイナス要素を差し引いても、投球は万全ではなかった。3者凡退は一度もなし。直球は149―138キロ。指に掛かった時とそうでない時の差だった。それでも2軍で磨いたスライダーとカーブで目先を変え、試合はつくった。山本監督は「慣れていないからな。前のような力みはなかったよ」とかばった。

「ストッパー失格」を言い渡された今季。2軍暮らしが続いた。ある夜、偶然つけたテレビ番組で佐々岡、大竹が急きょ、抑え役の調整をするシーンを目にした。「自分のせいだ…」。悔しさで視界がぼやけた。

ウイニングボールを手にしても、威勢のいい言葉は出ない。「次も言われたところで投げるだけです」。口元を強く引き締めたのは、信頼回復には、結果しかないと思っているからだ。(五反田)

◎セ・リーグ勝敗表(第20節終了・15日現在)

試 勝 敗 引  勝   
合 数 数 分  率 差
1 中 日 98 56 41 1 .577   
2 巨 人 105 55 48 2 .534 4.0
3 ヤクル 96 48 46 2 .511 2.5
4 阪 神 99 47 51 1 .480 3.0
5 横 浜 95 43 50 2 .462 1.5
6 広 島 97 42 55 0 .433 3.0


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