【ジョン・スミス(ブラッド・ピット)役 山寺宏一さん】
― 昨年10月で『日曜洋画劇場』は40周年を迎えましたが、昔から、ご覧になっていましたか?
『日曜洋画劇場』には、どんなイメージをお持ちですか?
山寺さん:もちろん、子供の頃からいつも拝見しておりました。
上京するまでほとんど映画館に行った事のない私にとっては“映画=日曜洋画劇場”といっても過言ではありません!
― 視聴者として、もしくは声優として…『日曜洋画劇場』で思い出に残っている作品は?
山寺さん:(1)『大逆転』『ゴールデン・チャイルド』等の初期のエディ・マーフィー作品。
同い年という事もあり、どうしてもやりたかったエディ・マーフィーですが、いざやるとなると、とてつもなく難しくて…。
自分でいいのかと思いながら夢中で演じてました(今でももちろん難しいです)。
(2)『ウエスト・サイド物語』のジョージ・チャキリス、『未知との遭遇』のリチャード・ドレイファス、『スター・ウォーズ』のハリソン・フォード、『スティング』のロバート・レッドフォードなど、往年の名作と言われる作品の新録版に起用していただいた事は本当にありがたいです。
(3)『蜘蛛女』、初めてのゲイリー・オールドマン。とまどいと不安をいだきつつも手応えを強く感じた作品です。主役の塩田さんにひっぱられた感じ。
― 山寺さん自身が好きな映画作品は?
山寺さん:『サボテン・ブラザーズ』。
理屈抜き!何年経っても、何度観ても笑える!
― 数多くの作品で活躍されていますが、今までオファーが来た役の中で、「えーっ! これ、オレがやるの〜?」と驚いた仕事は?
山寺さん:どんな役でもやりたいし、やらねば!と思っているので、何が来ても驚きません。
が、しいて言えば『ジャンヌ・ダルク』のジョン・マルコビッチでしょうか?
― ブラッド・ピットという俳優には、どんな印象をお持ちですか?
ブラピを演じるに当たって、どんな点をいちばん大事に考えていらっしゃいますか?
山寺さん:何度か演じさせていただいてますが、もちろん会った事はありません。
世界で一番カッコイイ男だと思います。
ブラピに影響を受けて赤い革ジャンを買った事があります。
セリフを言ってない時の細かな表情をしっかり見て芝居をつなげるというか、心情をつかむよう心がけています。
ブラピに限らず誰を吹き替える時もそうですが、この方は特にそこに味が出るように思うので。
― テレビ朝日版の『トロイ』でも、ブラッド・ピットの声を演じていらっしゃいますが、『トロイ』と『Mr.&Mrs.スミス』で、役作りを変えたところは?
山寺さん:たしかに“最強の戦士”と“最強の殺し屋”ですが、時代もジャンルもキャラもストーリーも全く違うので比べようが…。
どちらも決しておしつけがましくない“色気”と“たくましさ”を出せたらと思いました。
― 山寺さんのこれから先、5年後、10年後のビジョンを教えてください!
どんなお仕事をされていきたいかなど、“野望(?)”があればぜひ教えてください!
山寺さん: “映画の吹き替え”はもちろん、“アニメ”でも“舞台”でも“ものまね”でも、何でも観た人、聴いた人に「一生忘れない!感動した!」と言われるような作品に1本でも多く参加し貢献出来たらと思います。
そして将来、私に何かあった時、“山寺宏一追悼記念・日曜洋画劇場”を4週に渡って放送してもらえるくらいになりたいです。