法曹として社会に巣立ったばかりの新人弁護士第66期の最新の就業状況が明らかになりました。日本弁護士連合会が2014年1月14日現在でまとめた調査結果です。

 全国の弁護士会に登録した者のうち、いわゆる「即独」いきなり一人で独立開業した者の割合は前期(第65期)1.5%が今期(第66期)3.4%に、新規登録弁護士のみ複数名で独立開業した者は前期0.4%が今期1.0%に、いわゆる「軒弁」固定給なしで既存事務所の机と電話だけを借りる者は前期6.4%が今期7.3%へと軒並み上昇。このように実地研修(OJT)の機会が少ないままで弁護士の看板を掲げて仕事をしている者が一層増えていることがよく分かります。

 さらに、私が不安を覚えるのは、この調査への回答率が急減したことです。前期は登録者の88.7%が就職先を答えたのに、今期は62.5%しか答えていないのです。なぜ彼らは調査に答えないのでしょうか。答えないのではなく、答えられないのではないのか。つまり「即独」や「軒弁」と回答することが恥ずかしいからではないか、関係者はそう推測しています。

 以上をまとめると、新人弁護士を襲う凄まじい就職難がはっきりと見えてきます。

 第65期 総数1916名から未登録者363名を差し引き、さらに無回答者175名を差し引き、さらにさらに「即独」や「軒弁」など実地研修(OJT)の機会が少ないと推測される者123名を差し引くと、きちんとした就職先が確保できたと答えた者は1255名。

 第66期 総数1856名から未登録者351名を差し引き、さらに無回答者564名を差し引き、さらにさらに「即独」や「軒弁」など実地研修(OJT)の機会が少ないと推測される者114名を差し引くと、きちんとした就職先が確保できたと答えた者は827名

 きちんとした就職先の確保を答えられた者が、一年経っただけで428名も減るほどの、猛烈な就職難がいま現場で起きていることが読み取れます。

 第66期新人弁護士1856名のうち、きちんとした就職先が答えられない者は実に1029名。就職できた者827名を大きく上回っているのです。

 

 これでも国が、司法試験合格者数をこれからも千人以上出しつづける必要があるというのですか。