中国電力、旧経営陣3人提訴 カルテル問題で
中国電力は4日、法人向け電力の販売を巡るカルテル問題で、清水希茂前会長と滝本夏彦前社長、渡部伸夫元副社長の旧経営陣3人に約5992万円の損害賠償を求めて広島地裁に提訴したと発表した。公正取引委員会からの排除措置命令と707億円の課徴金納付命令を前提に、3人に法令順守義務違反などがあったと判断した。
同社の監査等委員会が社外弁護士に依頼して調査したところ、滝本氏と渡部氏は関西電力の担当者と直接情報交換していたほか、清水氏は認識していたにもかかわらず容認していたという。
個人株主らが旧経営陣を提訴するよう求めていた。関電と九州電力、中部電力の3社は提訴しないと発表している。
中国電は9月に公取委からの命令に法解釈や事実認定に相違があるとして取り消しを求めて提訴している。取り消し訴訟の結果次第で、旧経営陣3人への請求額が変動したり主張を撤回したりする可能性があるという。