世界最高峰シリーズ「ワールド・マラソン・メジャーズ」で、10回目を迎えた東京マラソンが28日、東京都庁前から臨海副都心の東京ビッグサイトまでのコースで行われ、フェイサ・リレサ(エチオピア)が2時間6分56秒で初優勝。リオデジャネイロ五輪代表選考会を兼ねた男子の日本勢は高宮祐樹(ヤクルト)が2時間10分57秒で8位となったのが最高で振るわなかった一方、1月の箱根駅伝を制した青学大の下田裕太(19)が10位、一色恭志(21)が11位と健闘した。
箱根路の王者がマラソンでも存在感をアピール。同大2年・下田と3年・一色が初挑戦で粘り強く走り、日本勢2、3位に食い込んだ。
「うれしい誤算。自分へのプラスの要素が重なった」
レース後、下田はそう振り返ったが、自身が加わった第2集団のスローペースが幸いした。30キロ手前でペースが上がった際は対応できなかったが余力があり、落ちてきた選手を拾いながら2時間11分34秒でゴールした。
箱根駅伝後に本格的にマラソン練習を始め、42・195キロを走ったのは2度。だが10代の日本最高を3分56秒更新。タイムは日本陸連の設定記録(2時間6分30秒)には及ばなかったが、福岡国際、東京、3月のびわ湖毎日の各大会日本勢3位以内というリオ五輪の選考対象に入った。一色も後輩に負けず激走をみせ2時間11分45秒でゴールに駆け込んだ。
青学大・原晋監督は、日本人2位となった下田について「代表の大本命にあげるべきだ。伸びしろは120、200%ある。東京五輪を逆算して走らせないと」と将来性を買うべきだという持論を強調した。