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【ベルリン=中西賢司】ドイツ南部のミュンヘン市が、ロシア出身の世界的指揮者で、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者ワレリー・ゲルギエフ氏を解任した。
ゲルギエフ氏はロシアのプーチン大統領と親交が深いことで知られる。ミュンヘン市がロシアによるウクライナ侵攻に「明確に距離を置くこと」を要請したが、本人から返答がなかったという。市は1日付の発表で、「ロシアの支配者への肯定的評価を修正すると期待したが、そうはならなかった」と指摘した。
ただ、政治信条を理由とした解任には否定的な声も出ている。スイス紙は「ロシアのパスポートを持つすべての芸術家に政治的立場の宣誓を強いるのか」と疑問を呈した。ドイツ政府の報道官は2日、「連邦政府がミュンヘン市の決定にコメントすることはない」としつつ、「この戦争はプーチンの戦争で、ロシア人の戦争ではない」と述べた。