「パーパー」ほしのディスコ「ネガティブから生まれるポジティブ」 子どものころ人生に絶望し死を意識したが逆転の発想で人気芸人に 初の著書「星屑物語」で赤裸々につづる
2023年5月4日 04時00分
お笑いコンビ「パーパー」のほしのディスコ(33)が、初の著書となるエッセー集「星屑物語」(文藝春秋)を刊行した。お笑いのほか、〝歌うま芸人〟としても活躍するが、自身の顔や声にコンプレックスを持ち、本来は人見知りで引っ込み思案だという。著書では子どものころから悩んでいた病気についても初めて公表。小学生の時には、死を考えたこともあるほどマイナス思考だったが発想を転換。「ネガティブから生まれるポジティブ」な発想で人気芸人として活躍する。(近藤正規)
著書は、ほしのの所属事務所「マセキ芸能社」の会員制サイトで連載した原稿に書き下ろしを加えるなどし書籍化。生い立ちや家族、芸人になる過程など赤裸々につづっている。「今まで語ってこなかったつらい過去だったりとか思い出を、魂を削って書かせていただいた」と胸を張る。
「公表するかどうか悩んだ」という病気の口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)についても記した。ほしのは上唇と口蓋が裂けた状態で生まれてきた。そのため2年に一度のペースで手術を受け、鼻の形が左右対称でないなど自分の顔が「普通の人とは違う」とコンプレックスを持ち、発声や発音にも苦労したという。
小学生の時に容姿をいじられたことをきっかけに人と会うことが怖くなり人生に絶望。死を意識することになる。しかし、「死ぬ勇気がなかった」というほしの少年はここで逆転の〝設定〟を生み出す。「自分は一度死んだ。そして、生き返った」。一度終わった人生だからこの先の人生は全てプラスになるという考え。「今こうして生きているのは人生のアディショナルタイム」。この設定が当時遊んでいたゲームから思い付いたというのがほしのらしい。「ものすごいネガティブから生まれるポジティブ」な発想でよみがえってみせた。「悩みに悩んだ末、もがき苦しんだ先にあるささやかな希望みたいなものが、ちょっとしたポジティブに変わった」
また、同じころお笑いに出会う。フジテレビ系バラエティー「笑う犬の冒険」がお気に入りだった。笑っているときは嫌なことを忘れることができたといい「お笑いが僕を救ってくれた」と芸人を志した。お笑いについて聞くと「どんなことでも笑いに変えられるのが一番の魅力」と語る。
パーパーとして「キングオブコント」で決勝進出し、ほしの個人としても「R-1ぐらんぷり」で決勝進出するなど結果を残してきた。さらに2020年に開設したユーチューブチャンネルでは高い歌唱力を披露。Superflyの「愛をこめて花束を」を歌うと再生回数305万回、DISH//の「猫」は同281万回を記録。〝歌うま芸人〟としても知られ、22年には歌手デビューも果たした。「歌をもっとうまくなりたいという気持ちが2022年は強かったので、音楽に専念した1年だった。2023年はお笑いと音楽を両立する。本業はやっぱりお笑い芸人で、芸人であり続けたいと思っているし、どちらも頑張りたい」と意気込む。
歌手としては「日本武道館でのライブと、やっぱりNHK紅白歌合戦出場を目指したい」と言い、芸人としては「キングオブコントですかね。コンビ仲は良くないが、いつか心をひとつにして、また決勝の舞台に立てるようにコントも磨いていけたら」と決意を新たにした。
◆ほしのディスコ 1989年10月23日生まれ、群馬県出身。本名・星野一成(ほしの・かずなり)。マセキ芸能社所属。2014年、あいなぷぅと男女コンビ「パーパー」を結成。「キングオブコント2017」「R-1ぐらんぷり2020」のファイナリスト。趣味は音楽鑑賞、カラオケ、ゲーム実況など。特技は「女性の曲も原曲キーで歌える」こと。身長166センチ、体重62キロ、血液はO型。
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