一時期、将棋界で大流行した言葉がある。「矢倉は終わった」だ。当時四段だった、増田康宏六段(23)が言ったもので、居飛車党の代表的な戦型の一つである矢倉が、当時の研究で既に通用しなくなった、という趣旨のものだった。実際、将棋界から矢倉が急速に減り、代わって雁木が多くなったが、現在は矢倉が復活し、雁木が減るという状況になっている。矢倉の研究で知られる森内俊之九段(50)と増田六段が、ファン注目の「矢倉談義」が繰り広げた。