ローソンヒノキと他のヒノキ属数種との種間交雑の可能性

書誌事項

タイトル別名
  • Possibilities of interspecific hybridization between <i>Chamaecyparis lawsoniana</i> and some other <i>Chamaecyparis</i> species
  • ローソンヒノキ ト タ ノ ヒノキゾク スウシュ ト ノ シュカン コウザツ

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抄録

ローソンヒノキを雌親とし,サワラ,ヒノキおよびヌマヒノキを雄親とする種間交雑をおこない,球果,タネおよび苗木のできかたの違いから,用いた樹種間の交雑の可能性を検討した。結果率, 1球果あたりのタネ数および真正発芽率については,種内他家交雑と者種問交雑との間に差異はなかった。タネの充実率は,ローソンヒノキ×サワラが雌親の種内他家交雑の4分の1から半分という値を示した。これは,従来のヒノキ属の種間交雑としては高い値である。ついで,ローソンヒノキ×ヒノキが比較的高かったが,ローソンヒノキ×ヌマヒノキはほぼ完全な交雑不稔性を示した。結果率, 1球果あたりタネ数および充実率は交雑年度間に差があり,結果率をのぞく他の2形質は雌親間にも差がある傾向が認められた。成苗率は,ローソンヒノキ×ヒノキで相対的に高い値を示したが,ローソンヒノキ×サワラ苗では,発芽個体の85%以上が黄子(致死)であったため最も低かった。総合的にみて,雑種の作出が相対的に容易な組合せはローソンヒノキ×ヒノキであると判断された。

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