FM放送(ワイドFMを含む)とインターネットラジオ「ラジコ」を切り替えて聴取できるスマートフォン「ラジスマ」の発売が2019年2月にスタートした。日本民間放送連盟(民放連)ラジオ委員会は2019年3月6日、ラジスマ発売開始の記念式典を実施、同日から4月26日までラジスマ普及のためのキャンペーンを展開すると発表した。

ラジスマ発売会記念式典を開催
ラジスマ発売会記念式典を開催
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 ラジスマ第一号となった2機種は、NTTドコモが2019年2月15日に発売した「らくらくスマートフォン me(F-01L)」(製造元は富士通コネクテッドテクノロジーズ)と、KDDIが2月8日に発売した「URBANO V04」(製造元は京セラ)である。

ドコモとKDDIがそれぞれ1機種発売
ドコモとKDDIがそれぞれ1機種発売
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 ラジスマには、アプリ「radiko+FM」がプリインストールされている。同アプリを立ち上げて、所望のラジオ局を選ぶと、FMチューナーのオンオフができるスイッチが画面上に表示される。

ラジオ放送かラジコかを聴取者が選択
ラジオ放送かラジコかを聴取者が選択
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 このスイッチを切り替えることで、リスナーはラジオ番組を放送波で聞くか、radikoで聞くかを選択できる。

ラジスマの仕組み
ラジスマの仕組み
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 ラジスマ所有者は受信環境に合わせて、ラジオ放送とラジコを切り替えて聞くことができる。また、ラジオ放送とラジコのどちらかで聞いていても、番組情報や楽曲情報などを画面で確認できる。災害時などで仮に通信が途絶えた場合でも、FM放送の受信は可能。FM放送の受信は、インターネットラジオの受信に比べて省電力なので、バッテリーをより長時間駆動できるという利点もある。

 式典において民放連 ラジオ委員長の岩崎正幸氏(ニッポン放送社長)は、スマホの普及でメディア環境が急速に多様化してきたことを指摘したうえで、「ラジオ局にとっては存在が埋没しかねない危機に直面している」「メディア環境の変化に対応して生き残るためのツールを手に入れることができた。ラジスマの普及はすなわちラジオの普及であり、ラジオ局にとって千載一遇のチャンス」と期待を述べた。

 民放連 ラジオ未来経営研究部会長の升家誠司氏(CBCラジオ社長)は、「災害は突然やって来る。そのとき、情報を得る手段が手元にあることが大切。重要な情報を放送してもその情報が届かないと意味がない。身近なスマホにラジオが入ることが有効な手段」とラジスマの意義を述べた。

 民放連ラジオ委員会は、4月26日までラジスマ普及キャンペーンを実施する。民放ラジオ全社のラジオ番組でほぼ毎日、ラジスマに関する告知を実施する。また、PRスポットを放送する。特設サイトも3月6日にオープンした。