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元特攻隊員の証言

生還を前提としない攻撃

 太平洋戦争末期、戦局の挽回に向け、日本軍が組織的に行った特攻。爆弾を搭載し、搭乗員が航空機ごと敵艦船に体当たりする特別攻撃隊の任務は、はなから生還を前提としない決死攻撃そのものだった。

 真珠湾攻撃やマレー沖海戦など、緒戦で大戦果を挙げたベテラン搭乗員たちが、相次ぐ出撃で消耗していく中、通常の攻撃よりはるかに大きなダメージを敵艦船に与えることができるとして敢行されたが、激しい対空砲火をかいくぐることは難しかった。250キロ爆弾などを装着したことで、機体が重くなり、運動性能がそがれたことも成功率の足を引っ張る結果となった。

 1945(昭和20)年4月、米軍を中心とする連合国軍の沖縄方面への侵攻を阻止するために発動された「菊水作戦」では、海軍と陸軍の多数の航空機が特攻に参加。海上でも戦艦「大和」などの水上特攻が実施された。

 学徒出陣で海軍に入隊し、特攻隊員として沖縄周辺海域の米空母や戦艦への突入を命じられて出撃したものの、2度ともエンジントラブルで不時着、生還した元少尉にインタビューした。

聞き手:社会部 太田宇律
編集:時事ドットコム編集部
(2015年7月10日)

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