ソフトB千賀、チームトップタイの7勝目 初球に154キロ、ヤフオクDにどよめき

7回3失点でチームトップタイの7勝目を挙げた千賀
7回3失点でチームトップタイの7勝目を挙げた千賀
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西武打線を相手に好投した千賀
西武打線を相手に好投した千賀
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 ◆ソフトバンク16-4西武(16日・ヤフオクドーム)

 ベンチ前で眺める味方打線の放物線は圧巻だった。イニング間のキャッチボール。千賀は今季初めてともいえる感覚を味わっていた。「攻撃時間が長いのは幸せな悩みでした」。大量リードを背に快適な99球。7回3失点で石川に並ぶチーム最多の7勝目を挙げた。

 2ランを献上した初回。山川に152キロの真っすぐを左中間に運ばれた。ベンチに戻ると、甲斐から「俺の配球ミスだった」と謝られた。首を横に振った千賀は自分の「投げミス」だったことを伝えた上で「打ったらチャラだから」と笑みを返した。その甲斐の2ランを含む3発6得点で一気に形勢は逆転。「すぐに取り返してもらって、野手陣に感謝。フォームを見直す十分な時間もあった」

 6勝目を挙げた前回3日の楽天戦(弘前)のことだ。真っすぐが上ずった7回に腕を気にするしぐさを見せた。それでも一夜明けた4日には「次も投げられる」と登板の意思を首脳陣に伝えた。だが、トレーナーの進言もあり、1度登板を飛ばすことになった。勝負の後半戦を、万全で迎えるために首脳陣の配慮でもあった。自身へのふがいなさを押し殺し、「前半戦が悪かったから割り切れた」と気持ちを切り替えた。

 離脱中に、球宴が行われた。昨年はファン投票1位で選出された夢舞台だ。今年は無縁だったが、テレビに映る“相棒”の姿を見て、心が晴れた。初出場の甲斐は特注の銀色のプロテクター装着。「どこの星からやって来たんだ」と“宇宙服”姿に突っ込みを入れた。その甲斐のバットにも助けられて、チームを勝利に導くことができた。

 「頭を取れたのは大きい」とうなずいた千賀はこう続けた。「また、大事なところで(西武とは)当たると思う。今度は自分の番」。大黒柱として期待されながら、出場選手登録を抹消されること4度。充電の再調整を経て後半戦の“開幕投手”も任された右腕には期すものがあった。初回、先頭打者の秋山に投じた1球。ヤフオクドームをどよめかせたストレートは、この日最速の154キロだった。 (鎌田真一郎)

 ◆甲斐(初回の5号2ランを含む3安打で今季2度目猛打賞)「先制されて千賀に『ゴメン』て言ったら『お前が打ってくれたらいい』と言われたので。感触は本当に良かった」

=2018/07/17付 西日本スポーツ=

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