14年衆院選、1票の格差は「違憲状態」 最高裁大法廷
「1票の格差」が最大2.13倍だった2014年12月の衆院選は違憲だとして、弁護士らが選挙無効を求めた計17件の訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は25日、「違憲状態だった」との判断を示した。選挙無効の請求は退けた。
最高裁が衆院選を違憲状態としたのは、09年選挙と12年選挙に続いて、3回連続。今回は定数を「0増5減」した選挙区割り変更など、国会の取り組みを評価する一方、格差解消をさらに急ぐよう求めており、国会で進む制度改革の議論に影響しそうだ。
判決は14人の裁判官のうち9人の多数意見。3人は「違憲」とする反対意見を述べ、うち2人が「選挙は無効」とした。他の2人は「合憲」の意見を付けた。内閣法制局長官時代に区割り変更に関わった山本庸幸判事は審理に参加しなかった。
最高裁は09年選挙を巡って11年に出した判決で、各都道府県にあらかじめ1議席を割り振る「1人別枠方式」を見直すよう求めている。この日の判決は「0増5減した選挙区以外では見直されておらず、格差2倍以上の選挙区が13あった」と指摘し「投票価値の平等に反する状態にあった」と認定した。
一方で、同方式の規定削除や0増5減などの取り組みを「一定の前進」と評価。選挙制度の見直し議論が続いていることも踏まえ「是正のための合理的期間を過ぎたとはいえない」として、違憲の判断を回避した。