【中国OSS】Javaはここ一年リーダー不在の状態

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  OracleのSun買収後、業界のMySQL、Solaris及びJavaなどの命運が人々の大きな関心ごとになっていた。レッドハットミドルウェアソフト2020仮想化フォーラムに参加した際、Googleは初めてJavaの発展に対する懸念を表明し、「Javaは過去数年リーダー不在の状態にある」と考えていると語った。

  GoogleのチーフエンジニアJosh Bloch氏はフォーラムで「近年Javaはリーダー不在の状態にある。技術や特許の紛争が過去数年(Java発展の)大きな阻害要因になっており、それらは多くのコミュニティのリソースを浪費し、悪い影響を及ぼしている」と語った。

  Josh Bloch氏が再三強調したのは、この問題はOracleがSunを買収する前から存在してはいたが、「Oracleが建て直し再びリーダーとなる」ことには疑問を感じるということであった。彼は、Oracleはより早くJava 7などの新バージョンのプラットフォームをリリースし、Javaコミュニティへのサポートを強化し、Java 2 Microバージョンはなるべく早く取り締まるべきであると考えていた。

  GoogleはJavaの将来にはなお期待する価値があり、「エンタープライズ市場のJavaはリーダー的な地位を持続」すると考えているが、今から改革を始めなければ、遅かれ早かれ没落してしまうと考えている。

【寸評】
  Javaは現在最も利用されているプログラミング言語の1つで、TIOBEのプログラミング言語利用調査では2002年から2004年中期からの1年間を除きほぼトップを走ってきた。しかし、ここ1年は本文の指摘に呼応するかのようにシェアの下降が続きついに最新のデータではC言語にトップの座を譲り2位に転落してしまった。

  同データを見るとC++、Visual Basicなどの下降、PHP、Python、C#などの上昇と新旧交代の兆候も見られるが、際立っているのがGoogleが推進するGoとiPhoneアプリの開発に使われるObject Cの台頭であるのも現在の業界の動向にならっているようで興味深い。

  閑話休題。中国においては適切な外部データはないのであるが、採用面接などを行った際に、経験したことがある言語及び大学で学習した言語では、Javaを見かけるのが今なお断然多い。肌感覚ではあるがその次が少し間があいてC++、また更に間があいてCという感じであり、新興勢力の言語を見かけることは少ない。それだけ、本文にもあるとおり市場のニーズとして存在し、多くの企業で実際に利用されているということであろう。

  Javaに関してはAndroidプラットフォームの台頭も追い風となる。中国だけでなく世界市場においてもAndroidが通信キャリア各社や携帯電話端末メーカーに人気を集めてきているのは再三紹介してきたが、Android上でアプリを開発するとなるとやはりJavaが自然な流れとなる。

  Android台頭の追い風でJavaがまた上昇気流に乗るのか、本文で指摘された懸念であるリーダー不在の状態が及ぼす影響の方が強いのか、今後注視していく必要がある。(執筆者:中尾貴光・Anhui OSS 編集担当:サーチナ・メディア事業部)

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